キリン:医薬買収で中間純利益4.8倍-飲料苦戦で通期下方修正(4)

酒類、清涼飲料、医薬、食品事業などを展 開するキリンホールディングスは4日、中間期(2008年1-6月)の連結純利 益は前年同期比4.8倍の811億円だったと発表した。協和発酵と医薬子会社キ リンファーマとの株式交換で発生した持ち分変動利益が大幅に最終利益を押し 上げた。ただ、競争激化や原材料高騰で国内の清涼飲料などが苦戦。計画を下 回ったことから、通期(08年12月期)の連結業績予想を下方修正した。

中間期の売上高は同25%増の1兆478億円、営業利益は同11%増の476 億円だった。豪ビール子会社ライオンネイサンの好調や買収した協和発酵の連 結化が寄与した。ただ、キリンビバレッジの国内飲料は競争が想定以上に激化。 お茶などの販売が振るわず、販促費の拡大もかさんだ。豪乳業子会社ナショナ ルフーズも生乳など原材料コストの上昇が想定以上に大きく、営業利益は期初 計画(590億円)に届かなかった。

中間期における利益面での計画下振れを受け、今期の連結業績予想を見直 した。営業利益は1520億円(従来予想は1640億円)、純利益は1240億円 (同1300 億円)をそれぞれ見込む。ビールや清涼飲料の低迷などにより、売 上高も2兆3300億円(同2兆4000億円)に減額した。

国内では消費者の節約志向が一段と高まるなか、ビールなどの総需要が期 初の想定以上に減少しているため、ビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビ ール)の年間販売計画を1億8170万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と期 初予想から390万ケース減らした。清涼飲料の年間販売計画も2億2900万ケ ースから1800万ケース下方修正した。

次期中計にかけて3000億円規模を投資

キリンは決算と同時に、07年から09年までの中期経営計画を見直した。 09年の目標は売上高2兆5000億円(酒税込み、従来は2兆1500億円)、営業 利益1750億円以上(同1500億円以上)とした。協和発酵、ナショナルフーズ の買収などで、08年中に前倒しで目標を達成できる見通しとなったため。今後 は残る目標である営業利益率、ROE(いずれも7%以上)の達成を目指す。

苦戦した飲料事業については規模拡大だけでなく、09年までは利益成長を 優先する戦略に切り換える。飲料の強化・拡大のため、会見に出席した加藤壹 康社長は「早期に経営資源を投入し、将来の飛躍的な成長のため基盤体制を整 える」と述べた。ビバレッジには人的資源も重点的に配分。ビールとの人事交 流を一段と深め、ビールで培ったノウハウを飲料でも共有し、「酒類・飲料を 有機的に融合させる」(加藤社長)。

今中計後半から次期中計にかけて総額3000億円程度を備え、新たな事業 投資も検討する。10年以降には積極的な成長戦略へと舵を切るため、アジア・ オセアニアを中心とした飲料・酒類事業への投資を模索する。資金調達は保有 資産の流動化や有利子負債の活用で実現する。同社では現在、フィリピンの総 合飲料メーカー最大手サンミゲルのビール部門への出資、豪乳業大手デアリ ー・ファーマーズの買収などを検討している。

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