日本株(終了)大幅安、業績不振の銀行や電機売り-信用不安で建設も

東京株式相場は大幅反落。不良債権処理額 の増加などにより4-6月期決算が大幅減益に落ち込んだ三井住友フィナンシ ャルグループなどの大手銀行株が下げを主導した。米景気の先行き不安再燃を 背景に、業績悪化が明らかになったTDKやNECなど電機株も安い。信用不 安の高まりで大成建設など建設株、三菱地所など不動産株も売られた。

日経平均株価の終値は前日比282円22銭(2.1%)安の1万3094円59銭、 TOPIXは同30.69ポイント(2.4%)安の1272.93。東証1部の出来高は概 算で20億9873万株、売買代金は2兆3026億円。値下がり銘柄数は1449、値上 がりは208。業種別33指数は29業種が下げ、3業種が上昇、1業種が変わらず。

第一生命保険相互株式部の伊藤弘康・国内株式グループ課長は、「発表さ れた4-6月期決算を見ると、特に外需依存度の高い企業が弱い印象だ。内需 では引当金の増加で大手銀行の業績悪化が鮮明となり、経営環境が悪化してい る不動産や建設業向けの融資を今後一層絞る可能性もある」と話した。

CME水準を大きく下回る、午後は安値圏もみ合い

前日の米国株安を受けてこの日の日本株は反落して始まった。日経平均の 始値は100円安の1万3276円と、米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物 9月物の前日清算値(1万3335円)をいきなり下回り、市場心理が弱気に傾い た。このところ週末に中小企業を中心に経営破たんの発表が多いことから、「企 業倒産による来週初の株安を警戒した手じまい売りも出た」(東洋証券ディー リング部の児玉克彦シニア・ストラテジスト)という。

午前は時間の経過とともに値を切り下げたが、午後に入ると安値圏でもみ 合った。週末午後はもともと売買が手控えられる傾向があるうえ、日本時間今 晩に発表される7月の米雇用統計と米サプライマネジメント協会(ISM)の 製造業景況感指数の結果や、今夕実施される内閣改造による主要閣僚の顔ぶれ を見極めたい向きが多かった。ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用 部長は内閣改造について、「安倍前首相の時に改造でつまずいた経緯があるだ けに、期待感より心配の方が大きい」と話していた。

三井住友FGが大幅減益、メガバンク安い

業績悪化が明らかになった大手銀行株が総じて売られ、東証銀行指数はT OPIXの下落寄与度1位。三井住友FGが前日発表した第1四半期(4-6 月)連結決算は、純利益が前年同期比51%減と大幅な減益だった。米サブプラ イム問題を背景にした市場混乱などで国債等債券損益が悪化したほか、不良債 権処理額の増加も影響した。みずほフィナンシャルグループは純利益は増益を 確保したものの、本業のもうけを示す実質業務純益が減少した。

減益決算を受けて三井住友FGが急落し、みずほFGも安い。5日に4- 6月決算の発表を控える三菱UFJフィナンシャルグループも業績悪化を警戒 した売りに押された。

経済指標が予想未達で米株安、電機や機械に売り

また米国の景気悪化懸念が再燃したことで、国際的に事業を展開する日本 の電機株や機械株などが業績不安の売りに押された。7月31日に発表された4 -6月の米国実質GDP速報値は前期比年率1.9%増と、市場予想中央値(2.3% 増)を下回った。また同日発表の週間新規失業保険申請件数は約5年ぶりの高 水準を記録した。

総じて安くなった電機株のなかでも、業績不振が明らかになった銘柄の下 げが目立った。電子デバイス事業が低迷し4-6月期の連結営業利益が前年同 期比64%減益となったNECがストップ安(制限値幅いっぱいの下落)まで売 られた。電子部品の価格下落で09年3月通期業績予想を減額したTDKは大幅 に4日続落。携帯電話の販売低迷などで同14%減となったシャープも急落。

機械株では、コマツと日立建機がともに大幅安。日本建設機械工業会が前 日発表した6月の建設機械出荷額が5年9カ月ぶりに前年実績を割り込んだこ とで、業績悪化が警戒された。コマツについては、ゴールドマン・サックス証 券が投資判断を「買い」から「中立」に引き下げたことも影響した。

建設や不動産、資源関連も安い

このほか、銀行の業績不振を受けて信用収縮懸念が高まり、大成建や清水 建設など建設株、三菱地所や三井不動産など不動産株も下落。三井不について は、不動産ファンドなど投資家向け分譲が振るわず4-6月期の連結純利益が 前年同期比71%減に落ち込んだことも響いた。

前日のニューヨーク原油先物9月限が反落したことを受け、収益上乗せ期 待が後退した国際石油開発帝石ホールディングスや新日本石油などといった鉱 業、石油関連株も売られた。

田崎真珠や島精機が急伸

東証1部の値下がり銘柄数が8割を超えるなか、業績や株式需給面に好材 料が出た銘柄に資金が向かった。投資ファンドを引受先とする第三者割当増資 を実施すると発表した田崎真珠が急騰し、東証1部の上昇率トップ。固定資産 の売却などで4-6月期の連結純利益が急増した東京特殊電線も急伸。自社株 買いを発表した島精機製作所は主力の大証1部で上昇率トップ。

7月から受注を開始した新パチンコ機の受注が好調なセガサミーホールデ ィングスや、自社株買いを発表した松井証券も上昇率上位。

新興3指数はそろって続落

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比1.26ポイント(2.1%)安の

58.49と続落。東証マザーズ指数は13.74ポイント(2.7%)安の496.32、大証ヘ ラクレス指数は19.45ポイント(2.4%)安の782.45とともに4日続落。

09年2月期の連結業績が一転して最終赤字に転じる見通しと7月30日に発 表したアセット・マネジャーズ・ホールディングスが連日のストップ安比例配 分。ジャスダック証券取引所が有価証券報告書の提出遅延を理由に9月1日付 で上場廃止にすると発表したYOZANもストップ安。楽天、ACCESS、 ダヴィンチ・ホールディングスも売られた。半面、イーアクセスと資本・業務 提携したアッカ・ネットワークスが大幅に5日続伸。日本精密、ブロッコリー、 アプリックスも高い。

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