ソロス氏に倣えば成績上がる?-ヘッジファンドでマクロ系が好調

ヘッジファンド業界では、かつて金融混乱に 乗じて富を築いた資産家ジョージ・ソロス氏のように、景気動向を予測して株や 債券、通貨、商品など幅広く投資するマクロファンドが2003年以来初めて最善 の成績を収めている。その投資戦略の前提は、世界経済に早急な改善はないとの 読みだ。

ピーター・ティール氏のクラリアム(サンフランシスコ)の年初来運用成績 は7月25日時点で、プラス47%。同ヘッジファンドに投資する2人によると、 株式やドル相場が下落するとの見通しに基づく取引がうまくいった。アラン・ハ ワード氏のブレバン・ハワード・ファンドの成績はプラス18%弱。投資家向け 月例リポートによると、米リセッション(景気後退)入り回避を目的とした昨年 9月以降の7回の米利下げで利益が出るポートフォリオを組んでいた。

英調査会社ロングビュー・エコノミクスの責任者、クリストファー・ワトリ ング氏は「マクロファンドの投資家は、われわれが置かれているのは1970年代 のような状況なのか、それとも30年代なのか、この2つの見方の間で悩んでい る」と語る。

クレディ・スイス・トレモント・インデックスの各種指数によると、マクロ ファンドの成績は今年6月までの1年でプラス18.8%と、ヘッジファンド業界 平均の5倍となったほか、ほかのどの投資戦略よりも優れていた。

最悪だったのは株式相場に楽観的だったファンドで、リチャード・デービッ ドソン氏のランスダウン・マクロ・ファンド(ロンドン)は年初来でマイナスほぼ 7%。バートン・ビッグズ氏のトラキス・ファンドは今年1-6月期の成績がマ イナス10%だった。

原油と円相場

成績優秀だったクラリアムを2002年に設立したティール氏はこれまでに、 原油相場が年内にバレル当たり200ドルを付けると話したことがある。ただ、非 公開を理由に匿名で語った同社の投資家によれば、ティール氏は同見通しに基づ くポジションを解消した。当局がインフレ抑制を目的に原油価格低下に向けて必 要なあらゆる措置を取ると懸念したためだという。

同投資家によると、74億ドルを運用するクラリアムは現在、特に円に対す るドル安と米株式相場下落から利益を得る投資ポジションを取っている。ティー ル氏はコメントを控えたものの、米国がデフレに向かっているとみて、米30年 国債相場の上昇を見込んでいる。

一方、ブレバン・ハワードのハワード氏は景気後退と物価上昇が同時進行す るスタグフレーションが欧米と日本で起きると予想している。

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