東京外為:ドル・円もみ合い、米景気先行き懸念強まる-雇用見極めへ

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=107円台後半でもみ合い。4-6月期の米国内総生産(GDP)が市 場の予想を下回る伸びとなったことなどを受けて日米の株価が下落しているこ とから、リスク投資を敬遠する姿勢が強まり、高金利通貨から円に資金を戻す 動きが先行。ただ、この日の米国時間に雇用統計の発表を控えて、内容を慎重 に見極めたいとの意向から、ドル安・円高の進行も限定されている。

ステート・ストリート銀行の富田公彦金融市場部長は、米国のGDPに関 しては、予想が徐々に上がって市場が楽観に傾いていたところに、2%割れの 成長になったほか、失業保険申請件数の急増もあり、冷や水を浴びせられる格 好になったと説明。ただ、「悲観論が一気に高まるような内容でもなく、欧州 や英国の経済など外部環境の弱含みを背景にドルの下値は限定されている」と 言い、目先は市場が雇用統計などの重要指標を冷静に見極める姿勢になってい るとしている。

米4-6月GDPは予想以下

7月31日に発表された4-6月の米実質GDP速報値は、前期比年率1.9% 増と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の2.3%増を下回る伸びに とどまった。また、26日までの1週間の新規失業保険申請件数は前週比4万4000 件増の44万8000件と、2003年12月以来の高水準を記録している。

米指標の弱含みを受けて、前日の米国株式相場は大幅下落。株価の予想変 動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指 数(VIX指数)は3営業日ぶりの水準に上昇した。

損失リスクが高い投資先の代表格とされる株式への警戒感が強まったこと で、外為市場では、低金利の円から高金利通貨などに投資するリスク選好的な 動きが収縮する可能性が警戒され、円に買い戻し圧力がかかりやすくなる傾向 がある。

ドル・円相場は前日の海外市場で一時1ドル=108円38銭(ブルームバー グ・データ参照、以下同じ)と、6月25日以来の水準までドル高・円安が進ん でいたが、107円台半ばまで急速に円が買い戻され、この日は日本株安も相まっ て107円台後半で円が強含みに推移。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=167円 63銭と、7月25日以来、1週間ぶりの円高値を付けている。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、「米株安の流 れを引き継いで、日本の株が下落しているなかで、とりあえず、持ち高を落と す動きが出やすく、円の買い戻しにつながっている」と見ている。

米雇用統計を警戒

4-6月期の米GDPが市場の予想を下回る伸びにとどまったことを受け て、7-9月期の指標内容に対する警戒感が一段と強まる可能性があるなか、 この日の米国時間には7月の雇用統計が発表される。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、非農業部門の雇用者 数が前月比で7万5000人の減少と、6月の6万2000人減から減少幅の拡大が 見込まれている。

ユーロが弱含み、景気の減速感鮮明

一方で、米景気減速の影響が世界的に波及するなか、ユーロ圏景気の先行 き不透明感が強まっており、ドル売りの対象として買い進められていたユーロ に売り圧力がかかりやすい面がある。

ステート・ストリート銀の富田氏は、「米国ほどひどくないとみられてい た欧州や英国などの経済が実は深刻な状態にある可能性がある」と指摘。米経 済とのディカップリング(非連動)論が崩れ、これまでインフレ抑制に向けて 利上げを進めてきたユーロ圏などは、景気減速に配慮した利下げの可能性が意 識されやすく、じわじわとドルの買い戻しが続く展開を見込んでいる。

そうしたなか、この日のユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.5558ドルと、 2営業日ぶりの水準までユーロ安・ドル高が進んでいる。

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