財務省幹部:15年変動国債の発行議論、ネット発行減額の意見多数(2)

財務省は1日午後、銀行や証券会社の関係 者で構成する国債市場特別参加者会合(第21回)を省内で開催し、15年変動 利付国債の今後の発行や最近の国債市場の状況について意見を交換した。会合 後に記者会見した財務省幹部が明らかにした。

財務省幹部によると、15年変動利付国債について、需給改善策を求める意 見が大勢を占め、ネット発行額(発行額から買い入れ消却を除いた分)をマイ ナスになるようにすべきとのとの意見が多かったという。

また今年度の15年変動利付債の新規発行は年4回とし、残り3回を予定 しているが、参加者からは、「年度下期に1回で4000億-6000億円としても 良いのではないか」との意見もあった。

一方で、15年変動利付債の発行を減額する代わりに、20年債など超長期 債や割引短期国債(TB)など2年以下の短期債の増発を求める声や、両方の 組み合わせを提案する声があった。

買い入れ消却に関しては、15年変動利付国債を増額する一方で、固定利付 債の減額を求める意見が出た。もっとも、物価連動債の買い入れ消却額に対し ては、「需給が良いわけではないので減らすべきではない」との意見があった。

15年変動利付国債については、今年度に市中発行額を前年度当初計画(4 兆円)から1兆6000億円減額し、2兆4000億円としていたほか、買い入れ消 却額を年間4800億円から1兆2000億円へ増額していた。1回当たりの発行額 は6000億円。

同省は、主要な機関投資家などで構成する国債投資家懇談会(第22回) を8月5日に開催する予定。そこでの議論を踏まえた上で、15年変動利付債の 発行について対応を決定する方針。

原則リオープンは賛否両論、景気減速に焦点

このほかレポ市場で特定銘柄が流動性不足に陥ることへの対応策として、 5年債、10年債、20年債を原則リオープン(追加発行)とし、銘柄数を減ら して、1銘柄の流通量を増やすことについても議論された。ただ、賛否両論に 意見が分かれたという。

国債市場動向に関しては、「昨年夏に米サブプライム(信用力の低い個人 向け住宅ローン)問題で金融不安を背景に『質への逃避』から金利が低下。そ の後、ベア・スターンズ救済や世界的なインフレ懸念を受けて金利が上昇した が、米住宅公社・景気減速懸念が浮上して再び金利が低下するなどテーマが様 変わりしている」との見方が出ていた。

今後については、「アナリストの間では、米国経済・金利動向に動く状況 となっており、景気減速・下振れリスクが明確になっている。インフレ懸念も 残るが景気減速の方に重点が移っている」との指摘が多かったようだ。