債券は軟調か、日銀短観悪化は織り込み済みの見方―戻り売り警戒(2)

債券相場は軟調(利回りは上昇)な展開が 予想される。日本銀行が朝方発表する企業短期経済観測調査(短観、6月調 査)では、景況感悪化が示される見通し。ただ、市場ではこうしたことは織り 込み済みとみられており、予想以上に悪化しない限り、材料出尽くしで戻り売 りが増えると警戒されている。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、きょうの日銀短観、3 日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会、米雇用統計など、日米欧の金融政策 を左右する重要イベントが続くと指摘。日銀短観は、市場予想を下回ると予想 しながらも、「目先はスピード調整が入るだろう」とみている。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値135円45銭を若 干下回った水準で始まった後、日中は135円00銭から135円40銭のレンジを 中心に推移するとみられている。6月30日のロンドン市場で9月物は、前日 の東京終値から40銭安の135円5銭で引けた。

みずほインベスターズ証券の井上明彦マーケットアナリストは、「日銀短 観の悪化は織り込み済みであり、地合い次第では、10年債入札を控え、材料出 尽くし、四半期期初の売りでいったん調整する可能性もある」という。

ブルームバーグ・ニュースの予測調査では、6月の日銀短観で大企業・製 造業の業況判断DIはプラス3(前回プラス11)、大企業・非製造業DIはプ ラス8(前回プラス12)といずれも前回実績に比べて悪化が予想されている。

30日の先物相場は7日続伸。日経平均株価が続落したことに加えて、月末 のため、年金基金などの投資家が保有債券の年限を長期化させる買いを入れた ことが相場を押し上げた。先物中心限月9月物は、前週末比22銭高い135円 45銭で終了した。日中売買高は2兆4729億円程度。

新発10年債利回りは1.6%台前半か

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日終値1.61%を若干上 回った水準で始まり、日中ベースでは1.6%台前半での取引が見込まれる。

UBS証の道家氏は「新発債利回りの高安の半値戻しは、5年債が1.13%、 10年債は1.555%である。同水準に接近し、戻り売りが出やすい」と予想して いる。

三菱UFJ証券チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、「3日に10年 債入札、ECB理事会・総裁会見、米雇用統計と大きなイベントが控えている ため、一方向へは動きづらい」と説明した。

日本相互証券によると、30日の現物債市場で新発10年物の293回債利回 りは、前週末比横ばいの1.61%で取引開始。いったん0.5ベーシスポイント (bp)高い1.615%に上昇したが、その後は緩やかに水準を切り下げ、午後2時 過ぎに1.59%に低下。前週末に続いて1.6%割れとなり、3時過ぎには2.5bp 低い1.585%まで下げて、5月13日以来の低水準を付けた。結局、横ばいの

1.61%で引けた。

一方、10年物国債の293回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると

1.589%だった。

米国債は横ばい圏

30日の米国債相場は横ばい圏。ユーロ圏のインフレ率が16年ぶりの高水 準を記録したことや、原油相場が1バレル=143ドルを突破したことが売り材 料となった。BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時28分現在、10年債利回りは前週末比ほぼ変わらずの3.96%。一時 は4.01%まで上昇する場面もあった。2年債利回りは2bp低下の2.61%程度。

一方、米株式市場は総じて軟調。月間ベースでは6年間で最も大幅な下げ となった。住宅ローン関連損失の拡大でさらに多くの銀行が減配や割安価格で の株式売却を強いられるとの懸念が背景。

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