米国債:四半期ベースで04年以来の大幅安、インフレ懸念で売り

米国債相場は四半期ベースで2004年以 来の大幅安となった。30日は株式相場の堅調に加え、ユーロ圏のインフレ率が 16年ぶりの高水準を記録したことや、原油相場が1バレル=143ドルを突破 したことが売り材料となった。

メリルリンチ算出の米国債マスター指数によると、米国債は4-6月期に

2.2%下落した。物価上昇圧力を抑制するため、米連邦公開市場委員会(FO MC)が利上げを実施するとの思惑が背景にある。30日発表の6月のユーロ圏 消費者物価指数は前年同月比4%上昇し、欧州中央銀行(ECB)による利上 げ観測が強まった。

MFグローバルの仕組み商品・新興市場共同責任者、アンドルー・ブレナ ー氏は「4-6月期は間違いなく非常に荒い値動きとなった。今後もインフレ が問題になるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4 時28分現在、10年債利回りは前週末比ほぼ変わらずの3.96%。一時は

4.01%まで上昇する場面もあった。この日の最低水準は3.94%。10年債価 格(償還期限2018年5月、表面利率3.875%)は1/32上昇の99 9/32。 2年債利回りは2bp低下の2.61%。

4-6月期の米国債は2004年4-6月期(3.08%安)以来の大幅な下げ となった。FOMCは04年6月から06年6月まで17回連続で0.25ポイン トの利上げを実施した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、イラ・ジャージー氏 (ニューヨーク在勤)はインフレ高進がECBに利上げを促すように、「FO MCも最終的には利上げを実施するよう圧力を受けると市場は予想している。 もちろん、利上げには大きなリスクも伴う」と指摘した。

原油高

原油先物8月限は一時、前週末比3.46ドル(2.5%)高の1バレル=

143.67ドルまで上昇した。FOMCが政策金利を2%で据え置いた2日後の 27日には142.99ドルまで上昇した。

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は 「市場は引き続き原油高にどう反応すべきか悩んでいる。原油高はインフレ圧 力につながることは確かだが、経済成長も抑制する。市場はFOMCが原油高 に対してどう対応するかを読み切れていない」と指摘した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場は利上げ観測が高まっていることを示唆している。FOMCが年末までに少 なくとも0.25ポイントの利上げを実施する確率は85%。1カ月前は64%だ った。

10年物のインフレ連動国債と通常の利付き国債の利回り差は2.53ポイン トと、4月末の2.28ポイントから拡大している。同利回り差は市場の今後10 年のインフレ期待を示している。

アルゼンチン中央銀行のレドラド総裁は29日、世界経済が年末までに 「停滞」に転じると各国の中銀総裁が予想していることを明らかにした。これ を材料に30日の米国債市場では買いが先行した。

同総裁はスイスのバーゼルで開かれた国際決済銀行(BIS)の中銀総裁 会議について報告し、「われわれは今後の世界経済は、極めて困難な時期にな るとみている」と述べ、「年末までに世界経済は停滞気味となるだろう」と予 想した。

米雇用統計

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、7月3日発表の 6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が6万人減少すると予想されている。

ミラー・タバクの債券市場チーフストラテジスト、トニー・クレセンツィ 氏は「金融市場の引き締まりと雇用市場が2大問題になっている。そのため、 FOMCは少なくとも10月までは政策金利を据え置くだろう。それから状況 が改善するのか、インフレが手におえなくなるのかを見極めることになる」と 語った。

利上げ観測の高まりに伴い、銀行が貸し出しにより慎重になっている。 金融機関同士の資金取引を映すロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)のド ル建て3カ月物と同期間の財務省短期証券(TB)利回りとの格差である「T EDスプレッド」は108bpに拡大。過去2カ月弱で最大となった。1カ月前 は80bpだった。

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