6月30日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:総じて軟調。月間ベースでは6年間で最も大幅な下げとなっ た。住宅ローン関連損失の拡大でさらに多くの銀行が減配や割安価格で の株式売却を強いられるとの懸念が背景。

銀行大手のワコビアは1992年以来の安値を付けた。アナリストが減 配の可能性を指摘したことが嫌気された。また、JPモルガン・チェー スが一部住宅ローン担保証券価格の一段安の可能性を指摘したことを受 けて、証券大手のメリルリンチや銀行大手のシティグループが下げた。 証券大手のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスも売りに押された。 同社は時価総額以下で売却される可能性があるとの観測がトレーダーの 間で広がったことが売りのきっかけとなった。

天然ガス生産会社デボン・エナジーはアナリストによる08年と09 年の利益見通し上方修正が好感され上昇、石油生産業者の上げを主導し た。これがS&P500種株価指数とダウ工業株30種平均の上昇につなが った。

S&P500種株価指数終値は前週末比1.62ポイント(0.1%)上げ て1280。月間ベースでは8.6%下落した。ダウ工業株30種平均は同3.5 ドル高の11350.01ドルとなった。ナスダック総合株価指数は22.65ポイ ント(1%)低下して2292.98で終了した。ニューヨーク証券取引所 (NYSE)の騰落比率は2対3。

ダウ平均は月間ベースでは10.2%下落と、6月としては1930年以 来で最大の下げとなった。四半期ベースでは7.4%安と、3四半期連続 の下落となった。これは78年以来で最長。S&P500種は四半期ベース で3.2%安、一方、ナスダックは同0.6%上昇した。

ワコビアに売り

ワコビアは前週末比4.3%下落。フォックス・ピット・ケルトン・ コクラン・キャロニア・ウォラーのアナリストはワコビアが減配に関し 「最もリスクの高い」地銀株の一つだと指摘。これとは別に、米紙ニュ ーヨーク・ポストはワコビアがプルデンシャル・ファイナンシャルとの 証券合弁企業の株式を買い戻す必要に迫られる可能性があると報じた。 ワコビアの広報担当者、クリスティ・フィリップス・ブラウン氏からの コメントは現時点では得られていない。

シティグループとメリルリンチも下げて引けた。

リーマンに関する憶測

リーマンは前週末比11%下落し、2000年以来の安値を付けた。

USグローバル・インベスターズ(テキサス州サンアントニオ、運 用資産60億ドル)のシニアトレーダー、マイケル・ナスト氏は「リーマ ンが買収される可能性があるとの観測が流れている」と指摘。「リー マンに関してはここ数週間良いニュースは聞かれておらず、買収額はリ ーマン株主にとって最善とはならない可能性がある」と付け加えた。

リーマンの広報担当者アンドルー・ゴワーズ氏は憶測にはコメント しないのが社の方針だと述べた。リーマンのリチャード・ファルド最高 経営責任者(CEO)は今月16日、買収される必要はないと表明してい た。

JPモルガン・チェースのアナリストは27日付の週間報告で、過去 最安値付近で推移しているサブプライム(信用力の低い個人向け)とオ ルトA(サブプライムと優良案件の中間)の住宅ローン担保証券につい て、今後も下落する可能性があるとの見方を示した。多くの銀行が一部 証券の購入を制限するとともに、保有分の売りを強いられていることが 背景だという。

天然ガス生産会社デボン・エナジーは上昇。フリードマン・ビリン グ・ラムジーはデボン・エナジーの株式の買いを推奨した。同社が2008 年4-6月(第2四半期)決算を発表する際に株式買い戻しと生産拡大 を発表する可能性があると指摘した。

○米国債:相場は四半期ベースで2004年以来の大幅安となった。30日は株式相 場の堅調に加え、ユーロ圏のインフレ率が16年ぶりの高水準を記録したことや、 原油相場が1バレル=143ドルを突破したことが売り材料となった。

メリルリンチ算出の米国債マスター指数によると、米国債は4-6月期に

2.2%下落した。物価上昇圧力を抑制するため、米連邦公開市場委員会(FO MC)が利上げを実施するとの思惑が背景にある。30日発表の6月のユーロ圏 消費者物価指数は前年同月比4%上昇し、欧州中央銀行(ECB)による利上 げ観測が強まった。

MFグローバルの仕組み商品・新興市場共同責任者、アンドルー・ブレナ ー氏は「4-6月期は間違いなく非常に荒い値動きとなった。今後もインフレ が問題になるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4 時28分現在、10年債利回りは前週末比ほぼ変わらずの3.96%。一時は

4.01%まで上昇する場面もあった。この日の最低水準は3.94%。10年債価 格(償還期限2018年5月、表面利率3.875%)は1/32上昇の99 9/32。 2年債利回りは2bp低下の2.61%。

4-6月期の米国債は2004年4-6月期(3.08%安)以来の大幅な下げ となった。FOMCは04年6月から06年6月まで17回連続で0.25ポイン トの利上げを実施した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、イラ・ジャージー氏 (ニューヨーク在勤)はインフレ高進がECBに利上げを促すように、「FO MCも最終的には利上げを実施するよう圧力を受けると市場は予想している。 もちろん、利上げには大きなリスクも伴う」と指摘した。

原油高

原油先物8月限は一時、前週末比3.46ドル(2.5%)高の1バレル=

143.67ドルまで上昇した。FOMCが政策金利を2%で据え置いた2日後の 27日には142.99ドルまで上昇した。

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は 「市場は引き続き原油高にどう反応すべきか悩んでいる。原油高はインフレ圧 力につながることは確かだが、経済成長も抑制する。市場はFOMCが原油高 に対してどう対応するかを読み切れていない」と指摘した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場は利上げ観測が高まっていることを示唆している。FOMCが年末までに少 なくとも0.25ポイントの利上げを実施する確率は85%。1カ月前は64%だ った。

10年物のインフレ連動国債と通常の利付き国債の利回り差は2.53ポイン トと、4月末の2.28ポイントから拡大している。同利回り差は市場の今後10 年のインフレ期待を示している。

アルゼンチン中央銀行のレドラド総裁は29日、世界経済が年末までに 「停滞」に転じると各国の中銀総裁が予想していることを明らかにした。これ を材料に30日の米国債市場では買いが先行した。

同総裁はスイスのバーゼルで開かれた国際決済銀行(BIS)の中銀総裁 会議について報告し、「われわれは今後の世界経済は、極めて困難な時期にな るとみている」と述べ、「年末までに世界経済は停滞気味となるだろう」と予 想した。

米雇用統計

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、7月3日発表の 6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が6万人減少すると予想されている。

ミラー・タバクの債券市場チーフストラテジスト、トニー・クレセンツィ 氏は「金融市場の引き締まりと雇用市場が2大問題になっている。そのため、 FOMCは少なくとも10月までは政策金利を据え置くだろう。それから状況 が改善するのか、インフレが手におえなくなるのかを見極めることになる」と 語った。

利上げ観測の高まりに伴い、銀行が貸し出しにより慎重になっている。 金融機関同士の資金取引を映すロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)のド ル建て3カ月物と同期間の財務省短期証券(TB)利回りとの格差である「T EDスプレッド」は108bpに拡大。過去2カ月弱で最大となった。1カ月前 は80bpだった。

○NY外為:ドルがユーロに対して5営業日ぶりに上昇した。3月半ばから続い たドル下落基調はこれ以上続かないとの観測が背景。

月間ベースでのドルはユーロに対して1.3%の下落となった。エコノミスト は欧州中央銀行(ECB)が7月3日に開く会合で政策金利を0.25ポイント引 き上げると予想している。米労働省は同日、6月の雇用統計を発表する。市場 予想では6カ月連続での雇用減が予想されている。

スコシア・キャピタルの通貨ストラテジスト、スティーブン・マリオン氏 (トロント在勤)は「ドルはやや値を戻している段階だ。われわれは先週、ド ル急落を目にした。米雇用統計やECBの金融政策のトーンがどうなるかにつ いてかなりの不安感がある」と語った。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、ドルはユーロに対して0.3%上昇し て1ユーロ=1.5745ドル、先週末は1ユーロ=1.5794ドルだった。一時は9 日以来安値の1.5836ドルまで売られる場面もあった。対円でのドルは106円 16銭。 前週末は1ドル=106円13銭。円はユーロに対して0.3%上げて167円15銭。 前週末は1ユーロ167円58銭だった。一時は16日以来高値の166円8銭まで 上げた。

四半期ベースでのユーロ

四半期ベースでユーロは円に対して6.6%上昇。2003年6月以来で最大の 上昇率となった。ドルは対円で7%上昇と、2001年12月以来の大幅高。ユーロ はドルに対して0.3%下落。第1四半期は同8.2%の上昇だった。

オーストラリア・ドルは米ドルに対して最大0.6%上昇して1豪ドル=

96.68米セント。これは1983年2月以来の高水準。世界の代表的商品相場を反 映するUBSブルームバーグCMCI指数が6月27日に過去最高を記録、年初 来の上げは32%に達した。四半期ベースでの豪ドルは対ドルで4.4%上昇した。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが日本国債の格付け を「Aa3」に1段階引き上げたことを受け、円買いが進み円はユーロに対し上 昇した。

ドルは先週ユーロに対して1.2%下落した。連邦公開市場委員会(FOMC) が24-25日の会合後に発表した声明で、利下げ局面を転換する兆候をまったく 示さなかったことが嫌気された。

ユーロ政策金利見通し

今週開くECBの定例政策委員会では0.25ポイントの利上げが見込まれて いる。ECBは2007年6月以来、政策金利をほぼ7年ぶり高水準の4%で据え 置いている。6月のユーロ圏のインフレ率は4%(前月3.6%)に加速した。E CBの掲げる消費者物価上昇率の目標は2%を下回る水準だ。

金利先物市場動向によると、8月5日のFOMC会合でFF金利誘導目標が

0.25ポイント引き上げられる確率は25%となっている。先週末では40%だっ た。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト74人を対象にした調査 によると、今週発表される6月の雇用統計では6万人の雇用者数の減少が予想さ れている。5月は4万人9000人の減少だった。

国際通貨基金(IMF)が発表した第1四半期の外貨準備に関する報告書に よると、外貨準備に占めるドルのシェアは今年3月末時点で63%、2007年第4 四半期末は64%だった。

○英国債:10年債相場が下落し、4-6月期は四半期ベースで1994年以来で最 大の下げとなった。インフレ加速への懸念が高まったのに加え、原油相場が過去 最高値を更新したことが背景。

イングランド銀行が年内に利上げするとの観測が強まったことを受け、2年 相場も下落した。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が30日発表した 6月のユーロ圏インフレ率は4%と、5月の3.7%から加速し、ここ16年余り で最も高い伸びとなった。原油先物相場はバレル当たり143ドルを初めて突破し た。

カリヨンの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏(ロンドン在勤)は、 「ユーロ圏のインフレ加速をきっかけとするインフレ懸念が英国債の動向を左右 した」と指摘し、「最高値水準にある原油相場を受けて、この日の国債相場は世 界的に大きな打撃を受けた」と語った。

ロンドン時間午後4時52分現在、10年債利回りは前週末比10ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上げ5.14%。4-6月期では79bp上昇と、 1994年4-6月期以来で最大の上げとなった。同国債(償還2018年3月、表 面利率5%)価格は前週末比0.78ポイント上げ98.97。2年債利回りは前週末 比9bp上げ5.22%。

○欧州債:相場は下落し、独2年債相場はここ3週間で最大の下げとなった。6 月のユーロ圏インフレ率が過去16年余りの最高水準となったことを受けて、金 融当局者が利上げするとの観測が強まったことが背景。

2年債利回りは今月5日以来で最大の上昇。4-6月期の同国債価格は四半 期ベースで少なくとも17年ぶりの大幅安となった。6月のユーロ圏インフレ率 は4%と、5月の3.7%から加速。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員 会のアルムニア委員(経済・通貨担当)はこの日、インフレ率について「深く憂 慮するに」と語った。

ドレスナー・クラインオートの債券ストラテジスト、クリストフ・リーガー 氏(フランクフルト在勤)は「今週の利上げは既に決まったようなものだ」と述 べ、「当局者は1回の利上げだけでは十分ではないことを示唆するだろう。短期 債利回りはさらに上昇する余地がある」と語った。

ロンドン時間午後5時43分までに、2年債利回りは前週末比16ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上げ4.59%となった。4-6月期では117b p上げ、1990年以来で最大の上昇となった。同国債(2010年6月償還、表面利 率4.75%)価格は前週末比0.30ポイント下げ100.27。10年債利回りは9b p上げ4.62%。

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