中銀はインフレ抑制を、「緩和の程度大きく弱める方向」示唆-BIS

国際決済銀行(BIS)は30日、成長減 速のなかでも中央銀行にとってはインフレ抑制がより緊急の課題だとの見解を 示した。

BISは同日発表した年次リポートで、「インフレ率は実際に上昇してい る。それに対し、大幅な成長減速は今のところ、世界の多くの地域で可能性に すぎない」と指摘。「これは総じて、世界的に緩和の度合いを大幅に弱める方 向に傾ける政策姿勢が適切であることを示唆している」と分析している。

物価上昇のなかで世界の中銀は、信用収縮への対応からインフレ抑制へと 政策の軸足を移した。米住宅低迷を発端とした成長減速を悪化させる恐れがあ るものの、インベステック・アセット・マネジメントで運用に携わるラッセル・ シルバーストーン氏は「インフレを野放しにすれば長期的な成長見通しへの悪 影響ははるかに大きくなる」と指摘している。

BISは「米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場の苦 境は、その後の混乱の原因というよりも引き金だった」とし、世界が「今後直 面する問題は大方の認識よりもはるかに深刻なものとなる可能性がある」との 見方を示した。

BISは、今日の問題の基本的な原因は「慎重さを欠く過度の与信拡大が 長期にわたり続いたことだ。これは通常、2つの望ましくない結果を招く」と 指摘。その1つはインフレ加速、第2は負債の拡大だとして、「負債拡大はあ る時点で持続不可能となり、大幅な景気減速につながる」と解説した。

BISのナイト総支配人はバーゼルでの講演で、原油高と信用収縮による 世界経済へのリスクは高まり、中銀当局者はここ何年もで「最大の困難」に直 面していると指摘。「将来の成長減速リスクは明らかに、金融政策を難しくす る」とした上で、「しかしながら、中銀は最終的に、インフレ期待が大きく上 昇しそれに伴うあらゆる問題が発生する危険に対し、断固として行動しなけれ ばならないだろう」と結論付けた。

BISは、インフレ圧力に対する力強い対応を今怠れば、「インフレ期待 が高まり、これを抑え込むためのコストが非常に高くなる恐れがある」との見 解を示した。

To contact the editor responsible for this story: Riad Hamade at rhamade@bloomberg.net

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