商品バブル崩壊か、消費後退と供給拡大で-上期上昇率は35年で最高

商品相場の上期(1-6月)の上昇率は、 過去35年で最高となりそうだ。下期(7-12月)は、原油や銅などの原料価格 が過去最高水準にあり、消費が後退する一方、供給は拡大する可能性があるた め、これほどの上昇率は望めないかもしれない。

商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数の年初来上昇率 は29%と、1973年以降で最高となった。価格高騰により、米国ではガソリン需 要の伸びが鈍化。世界最大の金購入国であるインドでは、金の購入量が前年同 期比で50%急減した。一方、供給面を見ると、米国の小麦農家、中国の鉄鋼メ ーカーが増産を進めている。

マーケットフィールド・アセット・マネジメント(ニューヨーク)のマイ ケル・アーロンシュタイン社長は、商品相場における「清算の日が近づいてい る」と指摘。「わたしは、7年間にわたり商品相場に対してプラスの見方をして きたが、今回初めて、単なる下落ではない劇的で長期的な相場の逆転が起こる 可能性があると考えている」と語る。同氏は90年代に商品投資を手掛け、年率 15%のリターン(投資収益率)を上げた。

原油相場は過去1年間で2倍に上昇し、27日には最高値の1バレル当たり

142.99ドルに達した。三菱東京UFJ銀行の上級金融エコノミスト、クリス・ ラプキー氏は同日、エネルギー価格の高騰が消費後退につながり、7-12月に は価格が下落するとの見方を示した。

世界最大のエネルギー消費国である米国では、ガソリン価格が1ガロン当 たり4ドルを突破。全米自動車協会(AAA)は26日、7月4日の独立記念日 を含む週末に旅行に出かける人の数が、少なくとも2000年以来で初めて減少す るとの見通しを示した。ジェット燃料の高騰により、過去半年間に少なくとも 航空会社12社が破たんした。

中国の輸入鈍化

チリやペルー、メキシコでの一時的な供給停止の影響などにより、銅相場 は年初来で28%上昇。5月5日には最高値の1ポンド当たり4.2605ドルに達し た。これを受け、需要は鈍化している。中国の10日の発表によると、同国の5 月の銅輸入は19%減少し、昨年8月以来の低水準となった。

UBS(ロンドン)のアナリスト、ジョン・リード氏は5月29日、金の最 大の需要家である宝飾品業者の金需要が昨年9月以降、失速していると指摘し た。金相場は3月17日に最高値の1オンス当たり1033.90ドルを付けた。リー ド氏は、金相場の今年の平均が850ドル、来年は750ドルになると予想してい る。業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の5月20日の発表に よると、第1四半期(1-3月)の金需要は5年ぶりの低水準まで落ち込んだ。

資産規模35億ドル(約3700億円)のヘッジファンド、トーラジ・キャピ タル・マネジメントの設立者、ポール・トーラジ氏は3月、今年の商品相場の 高騰について、株式や債券より高いリターンを目指す投資家の商品の「行き過 ぎた買い」によるものであるとの見方を示した。

米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスによると、商品に連動する指数 への投資額は4月中旬時点で2350億ドルと、かつてない水準まで膨らんだ。だ が、投資の拡大は鈍化しつつある。英バークレイズ・キャピタルによると、欧 州で上場されている商品相場連動型の金融商品への純資産流入額は第2四半期 (4-6月)に前期比約58%減の8億ドルとなった。

ガートマン・レター(米バージニア州)のエディター、デニス・ガートマ ン氏は、規制強化の動きも商品の投資妙味の低下につながるとみている。

一部の商品は上昇を続ける可能性がある。米国最大のトウモロコシ産地で あるアイオワのほか、イリノイ、ミズーリの各州が洪水に見舞われたことから、 トウモロコシと大豆の作付面積は400万エーカー(2.5%)縮小する恐れがあ る。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE