東京外為:円が対ドルで3週間ぶり高値、日本国債格上げでじり高

東京外国為替市場では午後の取引で円がじ り高の展開となった。ドル・円相場は一時1ドル=105円51銭(ブルームバー グ・データ参照、以下同じ)と、9日以来、3週間ぶりの円高値を付けた。米 金融不安の再燃などでドルの下値警戒感が強まるなか、正午前後には日本国債 の格上げ報道をきっかけとして、ドル売り・円買いが進んだ。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加辺猛参事役は、今週は米雇用統計 などの重要指標が警戒されるとしたうえで、「欧州中央銀行(ECB)の政策決 定会合では利上げが期待されており、仮に今回は見送られても次回会合に含み を持たせる可能性が強い」と指摘。米欧間の金利差拡大でユーロ買い・ドル売 りが進みやすいなか、この日は日本国債の格上げが伝わっており、「直後の反応 は鈍かったものの、じっくり円買いに効いてくる」と言う。

また、ECBの利上げ期待を背景に、午前の取引で1ユーロ=168円12銭 までユーロ高・円安が進んでいたユーロ・円相場は、午後には一時166円80銭 と、円が午前の安値から1円以上反発。19日以来の円高値を付けている。

国債格上げで円が午後じり高

この日のドル・円相場は、午前の取引では、国内輸入企業のドル買い需要 など月末の需給要因に加え、ECBの利上げ期待を背景としたユーロ高・円安 の進行も相まって、一時106円47銭までドル高・円安が進んでいた。

しかし、正午前後に米格付け会社のムーディーズが、日本国債の格付けを 「A1」から「Aa3」に1段階引き上げたと発表。徐々に円買い戻し圧力が 強まり、午後の取引では105円台後半まで円が水準を切り上げる展開となった。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斉藤裕司部長は、日本国債の 格上げについて、意外感があったとしながらも、「サプライズはサプライズで、 例えば日本に資金を入れたいという人がいるとすると、1ノッチ上がったとい う既成事実はあるので、機関投資家などはお金を入れやすくなる」との見方を 示した。

ECB利上げ先行期待

今週は7月3日にECBが政策決定会合を開く。パパデモスECB副総裁 は26日にワシントンでの講演で、「第一に、金融政策の最重要目標は消費者物 価指数(CPI)などで測られる全般的な物価水準の安定維持であり、今後も 変わるべきではない」としたうえで、「金融政策は中長期的にこの目的を達成す るための手段を有している」と述べている。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の佐原満上席調査役は、米金融機関の業績 不安を背景に信用リスクが高まっている上、原油高・株安を受けてドル売りの 流れが強まりつつあると指摘。そうしたなか、「原油相場が強含みのなかで、ユ ーロ買いが入りやすい半面、米国の雇用統計では悪い内容を確認してドルが売 られる可能性もあり、今週はドルの下値を模索する動きが出やすい」とみてい る。

この日のユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.5817ドルを付け、9日以来、 3週間ぶりの水準までユーロ高・ドル安が進行した。

米金融不安が再燃

米国の金融不安は根強く残っている。米リーマン・ブラザーズ・ホールデ ィングスは27日、米メリルリンチの4-6月期決算の予想を下方修正。また、 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも同日に、米モルガン・ スタンレーの長期信用格付けを格下げ方向で見直すことを明らかにしている。

3日には米国で6月の雇用統計が発表されるが、ブルームバーグ・ニュー スがまとめた市場予想では、非農業部門の雇用減少が加速する見通。市場では、 「ECB会合に向けては思惑主体でユーロ・ドルが1.59ドルまで上昇する可能 性があり、その場合、ドル・円もつられて105円台前半や105円割れまでドル 安に振れる」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部・北沢純部長)可能 性が警戒されている。

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--共同取材:曽宮一恵 Editor: Hidekiyo Sakihama , Norihiko Kosaka

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