【今日のチャート】原油投機防止の米法案の効果は限定的-キーフB

米下院が承認したエネルギー市場の投機抑 制に向けた法案は限られた効果しかもたらしそうにない。原油先物の未決済残 高は先週、1年3カ月ぶりの低水準となっていた。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズは同法案が下院を通過した翌日 の27日付のリポートで、「規制対象取引所の規則が厳格になったからといって、 商品関連のヘッジやリスクテークの需要がなくなるわけではない」とし、「市場 参加者は代替策として、規制の対象で透明性の高い市場以外の場で取引する道 を見つけるだろう」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物の未決済残高は6月25 日に、2007年3月8日以来の低水準となった(NYMEX公表)。同日の原油相 場は1バレル=61.64ドルだったが、先週は過去最高となり142ドルを突破した。 先物の未決済残高は投機の活発さを示す指標の1つ。

きょうのチャートは、07年初め以来の原油相場(白の線)と未決済残高(赤 の線)を示した。先物の残高は昨年7月16日の158万枚(白の点線の丸)をピ ークに減少しているが、原油相場は以来、ほぼ2倍になっている。NYMEX によると、25日の残高は129万枚だった。

エネルギー会社や指数への投資家のポジションは、原油相場が初めて1バ レル=100ドル超で終了した3月初めは10万2835枚の売り越し。先週は4635 枚の買い越しだった。

26日に下院で法案が承認された後、ペロシ下院議長は声明で「原油先物市 場への爆発的投機は原油価格を1バレル当たり20-60ドル押し上げている可 能性がある」として、「われわれは投機家に通告した」と警告した。

下院の法案は、米商品先物取引委員会(CFTC)に、管轄下のエネルギ ー先物、スワップ市場で「投機の影響が大き過ぎる場合に直ちに抑制措置を取 る」緊急権限を行使するよう求めている。

CFTCは商品市場の緊急事態を、国内または海外の政府による「実際の 市場操作」や、「市場に需給関係が反映されることを阻止するような重大な市場 混乱」と定義している。

CFTCは声明で、「CFTCは数カ月や数年をかけて進展した相場の傾向 に対して緊急権限を行使したことはない」としている。緊急権限が発動された のは、1976年にCFTCが設立されてから4回。

法案は上院通過と大統領の署名を経て法律となる。キーフ・ブリュイエッ トはリポートで、「厳し過ぎる規制は事実上、取引の場を取引所から、より透明 性の低い相対取引へと移動させかねない」と指摘している。

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