孫とペット、イケメンで大人を狙え!-玩具業界の少子高齢化対策

バンダイナムコホールディングスの人形「プ リモプエル」はあやしたり話しかけたりすると、おしゃべりする。東京おもち ゃショー2008で優秀賞の1つに選ばれたこのシリーズは、大人が楽しむ玩具 という分野の典型となった。

少子高齢化が進む日本は、先進国の中で初めて人口減少に直面している。 厚生労働省によれば、日本では5年以内に大人と子供の割合が2対1になる。 ショーの企画に参加した伊吹文昭氏は、もう子供はそれほど多くはなく、玩具 業界は顧客の年齢対象を広げることでこの問題に対処していると話す。

販売する玩具製品の20%が大人向けのバンダイは、1999年にプリモプエル を子供向けとして市場投入した。だが、プリモプエルの企画担当、田嶋裕子氏 によれば、100万個以上売れたこのベストセラー商品の買い手の大半が50歳代 や60歳代の女性。値段は7980円だ。

国内玩具業界は63億ドル(約6700億円)の規模だが、2003年以来、10% 縮小している。大人向けに舵を切っているのは、玩具業界だけではない。トヨ タ自動車は車いすとして使える取り外しできる座席のある自動車を生産。富士 通は今月、パソコン設定を手助けするスタッフを購入者の自宅に派遣するサー ビス「らくらくパック」を発表した。同社によれば、60歳以上の70%はまだパ ソコンを持っていない。

「触れ合い」

富士通総研のシニアエコノミスト、マーティン・シュルツ氏は、人口減少 について、「政府なら課税ベースについて考える必要があるところだが、企業に とって市場の縮小は、1つのヒット製品で稼げれば大したことではない」と指 摘する。

田嶋氏は、核家族化が進み、祖母と孫が離れて暮らしていることがプリモ プエルのヒットの背景にあると説明する。少し奇妙だが、人形が孫の代わりに なっているという。6月21、22両日に16万人の入場者を集めたこのショーだ が、訪れた23歳の女子大生は、ちょっと変だと感じているようだ。「ただ寂し いだけじゃない」というのが彼女の言い分だ。

セガトイズの「夢いぬDXゴールデンレトリバー」はイノベーション・ト イ部門で優秀賞を受けた。愛らしい瞳の犬型ロボットで、呼び掛けると反応す る。値段は3万4650円と、一般的なおもちゃの約10倍だが、同社は最初の半 年間で10万台の販売を目指しているという。

同志社大学文学部の井上智義教授は、消費者が求めているのは触れ合いで ロボットのおもちゃはないよりはましだろうと語る。自身が買うかどうかは分 からないが、その気持ちを分からないでもないとも述べる。

バンダイは大人の女性向けの貯金箱「イケメンバンク」も売り出す。この 企画を担当している小野寛子氏は、ハンサムなボーイフレンドがいたりお金が あれば幸せだと多くの女性が考えていると語る。この貯金箱は、貯金するたび に液晶画面を通じイケメンとの「恋愛気分」が楽しめ、5万円貯まると結婚を 申し込まれるそうだ。

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