5月新設住宅着工は前年比6.5%減-改善に頭打ち感との見方も(2)

5月の日本の新設住宅着工戸数は、前年同月 比で11カ月連続減少したが、減少幅は2カ月連続で縮小した。構造検査を厳格化 した改正建築基準法の施行に伴い、住宅着工は昨年9月に底を打った後、緩やか ながらも改善基調にあるが、改善に頭打ち感が見られるとの見方もある。

国土交通省が30日発表した5月の住宅着工統計によると、新設住宅着工戸数 は前年同月比6.5%減の9万804戸と11カ月連続のマイナスとなった。年率換算 では107.2万戸。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想 中央値は、前年同月比3.7%減。4月は同8.7%減だった。

昨年6月の改正建築基準法施行に伴う建築確認・検査の厳格化の影響で、住 宅着工は9月に前年同月比44%減と過去最大の減少幅を記録した。しかし、その 後は国交省による一部規制緩和などを受け、一進一退はあるものの、おおむね回 復傾向にある。1-3月期の国内総生産(GDP)では、昨年半ば以降、経済成 長の押し下げ要因だった住宅投資が前期比4.6%増と5四半期ぶりのプラスに転じ た。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは発表後のリポートで、「住 宅着工は昨年9月をボトムとして持ち直してきたが、このところ頭打ち感がみら れる」と指摘し、「この背景にはマンション販売の落ち込みや、資材価格の高騰が あると考える」との見方を示した。

国土交通省の木下慎哉・建設統計室長は発表後の記者説明で、構造計算の適 合性判定の合格件数が改正建築基準法の施行後では最高になったと指摘し、「改正 建築基準法に基づく確認手続きについては定着してきていると評価している」と 述べた。その一方で、景気の足踏み状態や資材価格の高騰、分譲マンションの在 庫数の増加など、懸念材料が引き続きあるとの見方を示した。

構造計算が複雑で審査に時間を要するマンション着工は、販売低迷に加え、 鋼材など素材価格上昇の影響も受け低迷しており、先行きも不透明感が強い。5 月のマンション着工は前年比4.0%増と11カ月ぶりに増加したが、「反動増の要素 が一番大きく、市況が回復しているわけではない」(木下室長)という。

政府は6月の月例経済報告で、3カ月ぶりに景気の基調判断を引き下げた。 住宅建設については「このところ横ばいになっている」とし、前月の「おおむね持 ち直してきたが、このところ横ばいとなっている」から表現を変えたが、判断は据 え置いた。

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