東京外為:ユーロ強含み、ECB利上げ先行期待で-ドル・円もみ合い

午前の東京外国為替市場ではユーロが強含 みに推移した。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.5797ドル(ブルームバー グ・データ参照、以下同じ)と、9日以来、3週間ぶりのユーロ高値を付けて いる。インフレ懸念が広がるなか、景気の先行き不透明感が根強い米国に先行 して、欧州中央銀行(ECB)の利上げが期待されていることから、ユーロに 買い圧力がかかりやすくなっている。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の佐原満上席調査役は、米金融機関の業績 不安を背景に信用リスクが高まっている上、原油高・株安を受けてドル売りの 流れが強まりつつあると指摘。そうしたなか、「原油相場が強含みのなかで、ユ ーロ買いが入りやすい半面、米国の雇用統計では悪い内容を確認してドルが売 られる可能性もあり、今週はドルの下値を模索する動きが出やすい」とみてい る。

ユーロ・円相場も一時1ユーロ=168円12銭と、前週末のニューヨーク時 間午後遅くに付けた167円58銭からユーロ高・円安が進んだ。

一方、ドル・円相場は、対ユーロでの円売りが優勢となり、一時1ドル= 106円47銭と、前週末のニューヨーク時間午後遅くに付けた106円13銭から円 が下値を切り下げている。

ECB利上げ先行期待

パパデモスECB副総裁は26日にワシントンでの講演で、「第一に、金融 政策の最重要目標は消費者物価指数(CPI)などで測られる全般的な物価水 準の安定維持であり、今後も変わるべきではない」としたうえで、「金融政策は 中長期的にこの目的を達成するための手段を有している」と述べている。

ECBのインフレ対峙姿勢が鮮明となるなか、今週7月3日に開かれる政 策決定会合では利上げが期待されており、ユーロ買い・ドル売りに圧力がかか りやすくなっている。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の湯本健一ヴァイスプレジデン トは、ECBは次の利上げが織り込み済みといった感もあるが、8月の会合で 予備的に利上げをする可能性があるとした上で、「米景気の弱含みを背景とした ドル軟調の流れのなかで、ドルの下値を試す展開もあり得る」とみている。

米金融不安が再燃

そうしたなか、米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは27日、米メ リルリンチの4-6月期決算の予想を下方修正。また、米格付け会社ムーディ ーズ・インベスターズ・サービスも同日に、米モルガン・スタンレーの長期信 用格付けを格下げ方向で見直すことを明らかにしている。

米金融機関の業績不安が再燃するなか、前週末の米国株式相場は続落。株 価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラテ ィリティ指数(VIX指数)も約2週間ぶりの水準で高止まりしている。

損失リスクを伴う投資先の代表格とされる株式への警戒感が強いと、外為 市場ではリスクを回避する傾向がみられ、低金利の円から高金利通貨などに向 いていた資金の還流に伴う円の買い戻しに圧力がかかりやすい。

このため、前週末の海外市場では、ドル・円相場が一時105円87銭と、9 日以来の円高値を付けている。また、ユーロ・円相場も167円04銭と、23日以 来の水準までユーロ安・円高が進んでいた。

3日には米国で6月の雇用統計が発表されるが、ブルームバーグ・ニュー スがまとめた市場予想では、非農業部門の雇用減少が加速する見通しにある。 市場では、「ECB会合に向けては思惑主体でユーロ・ドルが1.58ドルや1.59 ドルまで上昇する可能性があり、その場合、ドル・円もつられて105円台前半 や105円割れまでドル安に振れる」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替 部・北沢純部長)可能性が警戒されている。

日銀短観は悪化見通し

一方で、あすは日本銀行が企業短期経済観測調査(短観)を発表する。ブ ルームバーグ・ニュースが民間調査機関20社を対象にまとめた予想調査(中央 値)によると、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合 を引いた業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がプラス3、大企業・非製 造業がプラス8と、いずれも今年3月の前回調査の実績(プラス11、プラス12) から悪化が見込まれている。

前週末の海外市場では、米株安を背景に円の買い戻しが進んだが、今週は 「メインシナリオは、ECB会合と米雇用統計に向けて若干ユーロ買い・ドル 売りが先行するというもので、円については短観も悪い内容が予想されており、 買う材料はない」(BBH・北沢氏)との指摘も聞かれている。

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