ECB控えユーロ買いも、過度の利上げ期待は修正へ:新光総研・鶴田

新光総合研究所の鶴田典裕上席主任研究員 は30日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、今週は欧州中央銀 行(ECB)の利上げ見通しを背景にユーロが買われやすい展開が見込まれる が、市場の金利先高期待は行き過ぎており、過度の欧米金利差拡大期待は修正 されると語った。コメントの詳細は以下の通り。

今週の為替相場の見通し:

「ドル安というよりもユーロが買われやすい展開とみていい」

ドル・円は「下値が1ドル=105円、上値は108円というのはちょっと難し いと思うが、107円台と狭いレンジでみている」

ユーロ・円は上値を「もう1回ぐらいトライしてもいいのではないかと思 う。ただ、大きく上抜けていくイメージはない。1ユーロ=167円から169円、 170円をつっかけるかどうかというところだろう」

ECBの金融政策見通し:

3日開催の定例政策委員会は、「あまり決め打ちすべきではないと思うが、 一応利上げという方向で準備してきたので、この方向でみていいのではないか。 ただ、連続利上げに対しては否定しているので、強いユーロ買い材料になり得 るかどうなのか、トリシェ総裁のコメントに注目ということだろう」

市場は計75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)程度の利上 げを期待しているとの話も聞くが、「そこら辺は行き過ぎだと思う。以前の中 立金利のレベルと比べると、ちょっと高目の金利水準をマーケットは織り込み 過ぎている」

「ヨーロッパの中核国であるドイツやフランスはいいにしても、周辺国で あるスペインやポルトガルは苦しくなってきている。そこら辺の欧州全体のズ レというものを考えると、どんどん利上げというイメージは行き過ぎなのでは ないか」

欧米金利差と米国の金融政策見通し:

米国と「短期的には金利差が開くというイメージがユーロ買いに傾きやす い相場イメージをもたらしているが、中長期にみた場合、どんどん開くのかと 言われると決してそういうことはないので、そこら辺はすぐ修正されてくるの ではないか」

米国は「利上げしないことに越したことはないという流れで、すぐに利上 げの織り込みがなくなるということはなくて、引きずりながら様子をみていく という展開ではないか。それも原油価格動向次第ということになる」

1日発表の企業短期経済観測調査(日銀短観)の影響:

「事前にマーケットが読んでいる通りの結果で、大きなサプライズにはな らない。オイル高が景気の悪化に加担していると、弱い内容であって低金利維 持というイメージが継続されるということだろう」

「なかなか難しい日本の景気動向というのはよく理解されていることなの で、為替市場に大きなインパクトを与えるとは思わない」

原油高とドル相場:

「去年から今年の初めにかけて、ドルが下げ止まらないのでヘッジのオイ ル買いという動きがよく指摘されたものだが、春ぐらいから投機のウエートが 高くなってきている。ここら辺がこの連動のずれに反映されているのかなとい う感じだ」

「まだその関係というのは意識されていると思う。だから、今回の大阪の G8(主要8カ国財務相会合)でもテーマとしてドル安に歯止めを掛けるとい うことと原油高を阻止するということがセットだった」

アジアのインフレ懸念:

「今リスクが現実化する直前にきているという認識が各国当局者にはある と思う。原油高というのは、もちろん景気に対しても打撃を与えるし、脆弱な エマージング諸国の政治に打撃を与えるということをよく理解していると思 う」

--共同取材 君塚靖 Editor:Hidekiyo Sakihama Hidenori Yamanaka

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