トリシェECB総裁:政策委のタカ派を支持-成長鈍化のリスク負う

「コンセンサス」をよく口にする欧州中央銀 行(ECB)のトリシェ総裁も、常に全員を満足させるのは不可能だと認めざる を得なくなっている。

ECB政策委員会のメンバー21人の意見が珍しく2分したことから、トリ シェ総裁はいずれかの側につかざるを得なくなり、インフレ抑制のため今週開か れる政策委での利上げを主張するタカ派の支持に回った。ただ、利上げはドイツ の物価上昇圧力の緩和に寄与しても他の国に景気悪化をもたらす恐れがあること から、より深刻な亀裂を生じさせる可能性がある。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のユーロ圏担当チーフ エコノミスト、ジャック・カイユ氏(ロンドン在勤)は「ECBがこれほど明確 に2分したのは記憶にない」と指摘。「利上げによって、ECBはかつてない成 長リスクを負うことになるだろう」と予想した。

燃料や食品の値上がりや借り入れコスト上昇が家計や企業の支出を圧迫して いることに加え、ユーロ高と世界の需要減速に伴う輸出減少により、ユーロ圏の 経済成長はすでに鈍化している。利上げを実施した場合の悪影響は国によって異 なり、ドイツとフランスが現状を維持するのに対し、ポルトガルは景気縮小に向 かい、アイルランドとスペインの成長率は過去15年で最低になる公算が大きい。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスのローラン・ビルケ氏は、「EC Bがかなりの規模の利上げサイクルを開始した場合、こうしたユーロ圏内のばら つきは悪化する可能性がある」と指摘した。

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