中低所得者のインフレ強い、不満増加も利上げは見送り-東短・加藤氏

東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト は27日付のリポートで、所得が低い勤労者世帯ほど消費者物価指数(除く生鮮 食品、コアCPI)の上昇率が高くなっていると指摘した上で、賃金が伸び悩 む状況では不満を抱く国民が増加するとの見方を示した。一方、日本銀行が 2008年度内に利上げを実施する可能性は低いとも予想した。

5月の全国コアCPIは前年同月比1.5%上昇と、約15年ぶりの高い伸び を示した。勤労者世帯の収入を5階級に分けてみた場合、収入が最も少ない第 1階級は同1.7%の上昇、中間の第3階級は1.5%の上昇、収入が最も多い第5 階級は1.3%の上昇となった。昨年5月時点の3つの階級の格差はなかった。

食品の比率が高い低所得層:

「収入が低いほど食品等が支出額に占める比率が高いことが影響している。 食品、ガソリン等の購入頻度が高い品目のインフレ率が高くなっており、中低 所得層が感じている物価上昇は、ヘッドラインの数字が表しているインフレよ りもかなり強い状態だ」

年度内の利上げは見送り:

「日銀は、国民の先行きのインフレ予想に反映されてくるか注視している が、2008年度内の利上げの可能性は低い。インフレ水準は海外に比べてまだ低 いうえ、当面は賃金上昇とインフレのスパイラルも起きにくい。食品・ガソリ ンの価格高騰が消費に与える悪影響を見極める必要がある」

加藤氏によると、食品で見た5月のCPIの前年比上昇率は、日本が

2.4%上昇だったのに対し、英国は7.8%上昇、ユーロ圏は5.7%上昇、米国は

5.1%上昇という。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE