新日石株が急反発、原油最高値で上流部門の利益押し上げ期待広がる

新日本石油の株価が一時、前週末比45円 (6.8%)高の709円と急反発。前週末27日の海外商品市況で、原油先物価格 が史上最高値を更新したことで、石油・天然ガス開発部門の利益拡大を期待し た買いが優勢となった。

みずほインベスターズ証券の河内宏文アナリストは新日石について、ほか の国内石油元売りと比べ、上流と呼ばれる「石油・天然ガス開発部門の利益が 占めるウエートが高い」と指摘する。また河内氏によると、「先々の事業計画 を見ても、上流分野への投資を積極化する方針を打ち出しており、原油高の先 高観測とともに、上流の利益が今後も全体の業績をけん引するとの見方は強 い」という。前週末には一時655円と、約2カ月半ぶりの安値水準に沈んでい た経緯もあり、短期的な反動を狙った買いも入りやすかった。

新日石の2008年3月期の業績を見ると、売上高でわずか3%に過ぎない 石油・天然ガス開発部門が、営業利益では全体の5割弱に相当する1267億円 をもたらしている。売り上げの9割強を占める石油精製・販売部門の営業利益 を上回っており、足元の同社収益の屋台骨となっている。

さらに河内氏は、原油高で在庫評価益が増加することも、投資家の買いを 誘った一因と分析。新日石は、在庫評価に期初の在庫額と期中の仕入額を合計 して平均する総平均法を採用しており、原油価格の上昇時には期初の安い在庫 を原価に含めることから、実際の仕入れ価格よりも会計上の原価が下がる。こ の影響による利益のかさ上げ効果が在庫評価益だ。「キャッシュベースでもう けは増加していないものの、見かけ上の利益が増加することも材料視されてい る」(同氏)ようだ。

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