米国債見通し:2004年以来で最悪の弱気相場、回復の見込みは低い

2004年以来で最大の弱気となっている米国 債相場はさらに悪化する恐れがある。

グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が消費者物価の上 昇リスクを抑えるため、17回連続の利上げに着手した4年前と異なり、バーナ ンキ現FRB議長はインフレ問題が早期に解消するとの安心感を市場にほとん ど与えていない。

リバーソース・インスティチューショナル・アドバイザーズで運用に携わ るコリン・ランドグレン氏は「米国債市場はインフレを材料視する動きを強め ている」と語る。同社は米国債の保有を減らし、商業用モーゲージを担保にし た証券や投資適格級の社債への投資を選好している。

メリルリンチが算出する米国債マスター指数によると、3月以降の投資リ ターン(金利再投資含む)は平均でマイナス2.88%。これは、マイナス3.1% だった04年4-6月(第2四半期)以来で最悪だった。

米金融当局が今のようにインフレ加速への対応に取り組み、信用市場の混 乱をめぐる懸念が後退し始めた時期を振り返って判断すると、米国債相場は回 復しない可能性がある。1994年と99年の後半は、米国債のリターンはプラス 1%未満だった。94年は米金融当局がインフレ対策として利上げし、99年は、 ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)が事 実上、破たんした翌年だ。

23日時点で第2四半期の米国債相場の騰落率はマイナス3.27%だった。こ れは、ボルカーFRB議長(当時)がインフレ抑制に向けて利上げ局面にあり、 マイナス5.1%を付けた80年7-9月(第3四半期)以来で最大の落ち込みだ。

バーナンキ議長への信頼感

ただ、米国債相場はその後、若干回復した。米金融当局が20年で最も積極 的な一連の利上げを終了したものの、早期利上げを示唆しなかったことが手掛 かり。市場では、当局がタカ派的な姿勢を強めるとの予想に基づいた投資が後 退した。

BGキャンター・マーケット・データによると、2年債(償還期限2010年 6月、表面利率2.875%)の利回りは先週、27ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下して2.63%だった。10年債(償還期限2018年5月、表面利 率3.875%)利回りは20bp低下の3.97%だった。

グリーンスパン議長(当時)が04年に利上げを開始した時には、こうした 措置がインフレ抑制にとって十分だとの見方が広がり、米国債相場は3.5%上昇 した。同議長は1%だったフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を06年に は5.25%まで引き上げることになる。消費者物価は04年6月までの1年間で

3.3%上昇だった。

06年の最後の3回の利上げを決めた米連邦公開市場委員会(FOMC)を 主宰したバーナンキ議長だが、その時と同じような信頼感を呼び起こしていな い。それは景気が回復してないからだ。米商務省が先週発表した第1四半期の 実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率1.0%増にとどまり、今年前半の 成長率としては5年ぶりの低水準となった。

5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%上昇、生産者物価指 数(PPI)全完成品は同7.2%上昇となっている。

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