東京外為:円もみ合い、米株安でリスク回避-国内景気懸念が重し

朝方の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=106円台前半でもみ合い。米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題を背景とした金融機関の評価損拡大懸念が再燃していることか ら、投資家の間で損失リスクを敬遠する姿勢が強まる可能性があり、高金利通 貨などに向いていた資金を円に戻す動きが警戒されている。

一方で、あす日本銀行が発表する企業短期経済観測調査(短観)では、大 企業・製造業の業況判断指数(DI)が3期連続の悪化が見込まれるなど、国 内景気に対する懸念を背景に、円の上値も限られている。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の北沢純部長は、ここにきて 株と円の連動性が再び出てきている感があるとしたうえで、「リスク要因として、 米国株が一段の安値になってくると、円買いが主導する展開もあり得る」と予 想。ただ、「今週のメインシナリオは、欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合 と米雇用統計に向けて若干ユーロ買い・ドル売りが先行するというもので、円 については短観も悪い内容が予想されており、買う材料はない」とも言う。

米金融不安が再燃

米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは27日、米メリルリンチの 2008年4-6月(第2四半期)決算予想を1株当たり2.78ドルの赤字と、従 来予想の同64セントの赤字から下方修正した。

また、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも同日に、 米モルガン・スタンレーの長期信用格付けを格下げ方向で見直すことを明らか にしている。

米金融機関の業績不安が再燃するなか、前週末の米国株式相場は続落。株 価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラテ ィリティ指数(VIX指数)も約2週間ぶりの水準で高止まりしている。

損失リスクを伴う投資先の代表格とされる株式への警戒感が強いと、外為 市場ではリスクを回避する傾向がみられ、低金利の円から高金利通貨などに向 いていた資金の還流に伴う円の買い戻しに圧力がかかりやすい。

ドル・円相場は前週末の海外市場で一時105円87銭(ブルームバーグ・デ ータ参照、以下同じ)と、9日以来の円高値を付けている。また、ユーロ・円 相場も1ユーロ=167円04銭と、23日以来の水準までユーロ安・円高が進んで いた。

日銀短観

ブルームバーグ・ニュースが民間調査機関20社を対象にまとめた予想調査 (中央値)によると、あす発表の日銀短観(6月調査)では、景気が「良い」 と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断DIは、大企 業・製造業がプラス3、大企業・非製造業がプラス8と、いずれも今年3月の 前回調査の実績(プラス11、プラス12)から悪化が見込まれている。

今週は7月3日にECBの政策決定会合を控えて、利上げが期待されるな か、日本の景気弱含みが確認されれば、ユーロ買い・円売りが進みやすい展開 も予想される。

ユーロ・円相場はこの日の東京市場で167円台後半と、前週末のニューヨ ーク時間午後遅くに付けた167円58銭からユーロ高・円安に振れて推移してい る。

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--共同取材 小宮弘子 Editor: Hidekiyo Sakihama Hidenori Ymanaka

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