債券は堅調か、米株安や債券高受け買い先行―短観などの材料注目(2)

債券相場は堅調(利回りは低下)な展開 が見込まれる。前週末の米国市場では、原油高や金融機関の減益拡大懸念で株 安・債券高となった。こうした地合いを引き継ぎ、円債市場でも買いが先行し そう。もっとも、あす以降に企業短期経済観測調査(日銀短観)や10年債入 札などが予定されており、買い一巡後は高値圏でもみ合いそうだ。

三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジストは、この日の長期金利 について、前週末の米株安、米債高を手掛かりに低下余地を探ると予想する。 ただ、「相場の高値警戒感が台頭し、あすに日銀短観発表を控えていることも あり、次第に模様眺めムードが強まる」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月9月物は、前週末の通常取引終値135円23銭を やや上回って始まり、日中は135円10銭から135円50銭程度のレンジで推移 しそうだ。27日のロンドン市場で9月物は、東京終値に比べて24銭安い134 円99銭で引けた。

前週末の先物相場は大幅高。26日の米国債相場が上昇したことや、日経平 均株価の大幅続落を受けて、買い優勢の展開となった。月末接近に伴う年限長 期化の買いも入り、相場水準が押し上げられた。先物中心限月はおよそ3週間 ぶりに135円台を回復。9月物の日中売買高は3兆8789億円。

この日は、5月の住宅着工戸数が発表されるが、あす1日には日銀短観、 3日には10年利付国債入札、海外では米雇用統計や欧州中央銀行(ECB) 理事会などを控え、積極的な取引は行いにくい。

三井住友アセットマネジメント保険資産運用第1グループヘッドの堀川真 一氏は、「注目は1日の日銀短観の大企業の業況判断指数(DI)だ。市場は 悪い数字をかなり織り込んでいる。市場予想値通りなら新発10年債利回りは 今週、1.6%台で推移する」と予想している。

新発10年債利回りは1.60%前後か

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前週末終値の1.61%を下 回る水準で始まり、1.60%前後での推移が見込まれる。年限長期化などの買い が入ると、前週末に続いて節目の1.6%を割り込む展開も想定されるが、1.5% 台では戻り売り圧力も強いとみられる。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、「あすに短 観発表を控え、持ち高調整など、それに対する準備がある。さらに、10年債利 回りの1.5%台に対する抵抗感も強いと感じる。一方、7-9月の相場環境は 良好と、押し目待ちを含め、買いで攻める向きも少なくないとみる」という。

日本相互証券によると、27日の業者間取引で10年物の293回債利回りは、 前日比3.5ベーシスポイント(bp)低い1.62%で取引を開始。その後は水準を切 り下げ、一時は1.59%まで低下。新発10年債としては5月13日以来の1.6% 割れとなった。そこでは売りが優勢になり、結局は4.5bp低い1.61%で引けた。

一方、10年物国債の293回債利回りは、東京時間の27日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると

1.611%だった。

米株安・債券高-金融機関の減益拡大懸念で

27日の米国債相場は上昇。金融機関の減益拡大懸念が再燃し、株価が下落 し、投資家が比較的安全な投資先である米国債に買いを入れた。米株市場では 原油先物相場が初めて1バレル142ドル台まで上昇したことも市場心理を冷や し、ダウ平均株価は前日比106ドル91セント安の1万1346ドル51セントと、 2006年9月7日以来の安値で終えた。

BGキャンター・マーケット・データによると、10年債利回りは前日比6 bp低下して3.96%。週間ベースでは20bp低下と、2月29日以来の大幅低下 となった。

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