NY外為(27日):円上昇、対ドルで一時105円台-キャリー解消

ニューヨーク外国為替市場では円が上昇。 対ドルでは2週間ぶりの高値を付けた。世界的な株安を受け、低金利の日本で 資金を調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引が解消された。

円はユーロに対して週間ベースでの下げを埋めた。欧州中央銀行(EC B)政策委員会メンバーのオルドネス・スペイン中央銀行総裁が7月3日に決 定する金融政策について「決まっているわけではない」と発言したことがユー ロ売りを誘った。欧州の企業や消費者の信頼感指標が低下したこともユーロ売 り材料。原油相場が最高値を更新したことを好感し、カナダ・ドルは対米ドル で3週間ぶりの高値を付けた。

モルガン・スタンレーの為替ストラテジスト、ソフィア・ドロッソス氏は 「多くの投資家が株式相場を眺めながら取引している。原油が再び騰勢を強め、 世界の景気見通しが悪化していることが市場心理に影を落としているようだ」 と述べた。

ニューヨーク時間午後4時16分現在、円は対ドルで前日比0.7%上昇し、 1ドル=106円12銭(前日は同106円81銭)。一時は105円87銭と9日 以来の高値に上昇した。ユーロに対しては0.4%上げ、1ユーロ=167円56 銭。上昇率は2日以降で最大。前日は168円30銭だった。この日のユーロは ドルに対して0.2%高の1ユーロ=1.5789ドル(前日は同1.5757ドル)。

週間ベースで円は対ドルで1.1%上昇、対ユーロではほぼ変わらず。ドル はユーロに対し1.2%下落した。

カナダ・ドルは米ドルに対し、一時0.9%高の1米ドル=1.0049カナ ダ・ドルと3日以来の高水準。原油や金などの商品はカナダ輸出の54%を占め ている。

円高

円はノルウェー・クローネに対して0.9%高、対ブラジル・レアルでは

0.1%上昇した。ダウ工業株30種平均は0.9%安となり、2日連続で下げた。 信用損失が悪化し、原油高で消費関連企業の利益が縮小するとの懸念が背景に ある。

ゴールドマン・サックス・グループの為替ストラテジスト、ジェンズ・ ノードビグ氏(ニューヨーク在勤)は「相場のトレンドに逆らおうとする意欲 はほとんどない。全般的なリスク許容度は非常に低い」と指摘した。

1カ月物のドル・円オプションのインプライド・ボラティリティ(IV、 予想変動率)は11.48%と、16日以来の高水準。通貨の変動率が高まると、 キャリー取引で得た利益が縮小する可能性がある。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト11人を対象にした調査では、 日銀は2009年9月まで政策金利を0.5%で据え置くとみられている。ブラジ ルの政策金利は12.25%、ノルウェーは5.75%。

欧州

オルドネス・スペイン中銀総裁がローマで記者団に対し、7月3日に利上 げを実施するかどうかについて「決まっているわけではないが、可能性はあ る」と話すと、ユーロは対円で下落した。トリシェECB総裁は今月、小幅利 上げの可能性を示唆している。

金利先物市場ではECBが年内に追加利上げに踏み切る確率が後退してい る。EURIBOR(欧州銀行間出し手金利)先物12月限は今週、14ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の5.16%となった。

BNPパリバのシニア為替ストラテジスト、イアン・スタナード氏は「市 場は複数回の利上げを織り込んでいるが、ECBは追加利上げ観測を後退させ ようとしている。ユーロは金利見通しが変われば、売り圧力を受けるだろう」 と指摘。2週間以内に1.5285ドルまで下落する可能性があると予想した。

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