NEC:米ネットクラッカーを3億ドルで買収-海外売上高を拡大(4)

通信機器メーカー国内最大手のNECは27日、 米国ソフトウエアのネットクラッカー・テクノロジー社(マサチューセッツ州)を 買収することで合意したと発表した。通信サービス事業者向けのソフト事業強化が 狙い。今後5年間で、通信事業者向け運用支援システムの海外売上高を2000億円 拡大することを目指す。

会見した矢野薫社長によると、買収額は約3億ドル(約319億円)で9月に手 続きを完了する予定。同社にとっては、1999年までに総額約20億ドルを投じて買 収した米パッカードベル以来の大型M&A(合併・買収)案件となる。矢野氏は会 見後記者団に対し、今後も海外事業拡大へM&Aを検討する考えを示し、「予算的 に4けたの半ばくらいまでは可能だ」と、数千億円までは対応できるという。

ネットクラッカーは、通話やブロードバンド(高速大容量)サービス料金の課 金システムや顧客管理システムなどの運用支援ソフト開発に注力する非上場企業。 社員は約1000人。フランステレコムや、オーストラリアのテルストラなどを主要 顧客に持つ。矢野氏によると、07年の売上高は約100億円で、粗利益率は約65%、 純利益率は25%。08年は売上高が前年比数10%拡大する見通しという。

ネットワークとの融合

通信事業者向けのビジネスは国内で、基地局、サーバー、ストレージ(大型外 部記憶装置)などのハードウエアから、その上で動くソフトサービスまで幅広く展 開している。しかし海外ではソフトサービスが弱いため、矢野氏はその強化が不可 欠と説明、「強みを持つネットワークとITの融合領域でのサービスを海外でも展 開したい」と語った。

矢野氏は、通信網がIP(インターネットプロトコル)をベースとする固定電 話と無線通信とインターネットが融合したネットワークへ変貌するなかで、従来型 のハードウエア中心のビジネスでは成長できないと分析。「多様で複雑なサービス メニューや料金体系を管理し、請求書に一つにまとめるといったことが可能な基幹 システムを、いかにフレキシブルに作れるかが競争力を左右する」と述べた。

NECの前期(2008年3月期)売上高は4兆6172億円。うち海外売上高比率 は25%と、同期の富士通の36%や東芝の52%を下回っている。矢野社長は2月の 経営説明会で、提携や買収などを通じ2-3年以内に30%以上を必ず達成し、そ の後は早期に40%以上に引き上げる方針を示していた。

NEC株の27日終値は前日比18円(3.1%)安の556円。

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