G8外相:北朝鮮核申告の検証は重要、6者協議加速を-議長声明(5)

7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミッ ト)に向けた最後の閣僚級準備会合となった主要8カ国(G8)外相会合は 27日、朝鮮半島の非核化に向けて、北朝鮮が26日に申告した核計画を検証す ることの重要性を確認するとともに、同国に検証への完全な協力と既存の全核 施設の迅速な無能力化などを求める議長声明を採択して閉幕した。

議長声明は北朝鮮のすべての核兵器、既存核計画の放棄を含め、2005年 9月19日の6カ国協議共同声明の完全な実施に向けて、協議を加速させるこ とが重要だと明記。日本が重視する北朝鮮による日本人拉致事件に関しては、 「北朝鮮に対し拉致問題の早期解決を含む安全保障、人権・人道に関する懸念 に対処するため、速やかに行動するよう強く求める」との文言を盛り込んだ。

G8外相会合は26日から2日間、京都迎賓館で開かれた。高村正彦外相 は27日午前、記者団に、拉致問題の進展の重要性について「全員の理解と支 持を得られた」と強調した。議長国の日本が、北朝鮮の非核化に向けたプロセ スの進展に向けて米国やロシアなどほかのG8メンバーに足並みをそろえた格 好。ただ従来から重視してきた拉致問題進展の見通しは立っておらず、日本は 対北朝鮮政策で事実上、戦略の練り直しを迫られそうだ。

三菱総合研究所の水田愼一シニア政策アナリスト(国際関係論)は、「G 8外相会合で拉致問題への支持を得られたものの、結果的に核問題だけが進展 することになった」と指摘。「核問題と共に拉致問題が進展するよう、日本に は従来のやり方の見直しが求められているのではないか」と語った。

早稲田大学国際教養学部の重村智計教授はブルームバーグ・ニュースの取 材に応じ、「日本は今回、日本人拉致問題を棚上げして、米国の支援国家指定 の解除に協力した格好だ」と指摘。「なぜ日本が協力したかというと、6カ国 協議に日本だけ置いてきぼりになることを心配して妥協したということだ」と 語った。その上で「拉致問題が棚上げされたのはマイナスだ」と述べた。

G8外相は議長声明で、イランによるウラン濃縮活動の継続を懸念し、国 際社会の要請に応じてすべての濃縮活動を停止するよう求めた。またイスラエ ルとパレスチナ自治区の和平交渉をめぐり、08年末までの紛争終結、パレスチ ナ国家設立の合意に向けた交渉の進展に対し支持を表明した。

--共同取材:Holly Rosenkrantz Editor: Hitoshi Sugimoto, Kenzo Taniai

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