債券は上昇、米債高・株安や年限長期化の買い-一時1.6%割れ(終了)

債券相場は大幅高(利回りは低下)。前 日の米国債相場が上昇したことや、日経平均株価の大幅続落を受けて、買い優 勢の展開となった。月末接近に伴う年限長期化の需要も入り、相場水準が押し 上げられた。先物中心限月はおよそ3週間ぶりに135円台を回復したほか、新 発10年債利回りは一時、5月中旬以来の1.6%割れとなった。

岡三証券経済調査部の坂東明継シニアエコノミストは、「米国債の大幅高 や国内株の急落の影響を受けたうえ、月末の年限長期化の買いが入り、円債相 場は上昇した」と説明した。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比44銭高の135円30銭で寄り付 いた。いったん135円16銭に上げ幅を縮めた後、緩やかに値を切り上げ午前 10時30分すぎに135円53銭まで上昇。中心限月ベースで、5日以来の高値を 付けた。その後も堅調推移が続いて、結局は37銭高い135円23銭で引けた。 中心限月が終値で135円台を回復したのは9日以来。9月物の日中売買高は3 兆8789億円。

HSBC証券チーフエコノミストの白石誠司氏は、「最近は、原油高が生 じても、利上げには距離があるとの見方が広まり、株安・金利低下傾向で反応 している」と指摘。米国の信用不安が蒸し返され、「質への逃避」が再び起き ていることが、円債市場にも反映されているとの見方を示している。

日経平均株価は大幅続落。前日比277円96銭安の1万3544円36銭で取 引を終えた。下げ幅は一時、350円超となった。

新発10年債利回りは1.59%まで低下

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日比3.5ベーシスポイ ント(bp)低い1.62%で取引を開始。その後は徐々に水準を切り下げ、午前10 時半過ぎには6.5bp低い1.59%まで低下し、5月13日以来の低水準となった。 その後は、1.59%-1.60%のレンジ内で推移したが、午後3時直前から水準を 切り上げた。3時40分前後からは、4.5bp低い1.61%で取引されている。

岡三証券の坂東氏は、「来週に10年債入札を控えており、高値警戒感も でていた。1.6%を割り込んだところでは、買い進みづらい」と述べた。

AIGインベストメンツのポートフォリオマネジャー、横山英士氏による と、「新発10年債利回りで1.6%割れは若干抵抗があるような感じだが、金融 市場はまだ不安定な状況で、海外金利は低下基調とみている。1.6%を割り込 んでいく方向ではないか」という。

中期債も堅調。新発5年債利回りは一時6bp低い1.155%と、5月13日 以来の水準まで下げた。新発2年物の270回債利回りは5bp低い0.775%まで 低下。超長期債も上昇。新発20年債利回りは4bp低い2.17%と節目の2.2% を割込み、5月1日以来の水準まで下げた。

全国コアCPIは前年比1.5%上昇、予想を上回る

この日の朝方に発表された5月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食品、 コアCPI)は、前年同月比1.5%上昇と8カ月連続でプラス。6月の東京都 区部コアCPIは同1.3%上昇。揮発油税などの暫定税率の復活やエネルギ ー・原材料価格の高騰から、伸びが再び加速した。ブルームバーグ・ニュース がまとめた予想中央値は、全国コアCPIが同1.4%上昇、都区部コアCPI は同1.1%上昇だった。

みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、全国コアCP Iについて、食料・エネルギーを除いた欧米型コアは0.1%減にとどまったと 指摘。「原油・食品高で表面的には『インフレ』だが、ベースライン部分への 波及は引き続き見られていない」という。

鉱工業生産指数(速報)は、5月が前月比2.9%上昇し、前年同月比では

1.2%の上昇となった。6月の製造工業生産予測指数は前月比0.9%の低下、7 月は2.2%の上昇となった。ブルームバーグ・ニュースの調査では予想中央値 は前月比2.7%の上昇だった。

来週は、1日に日銀短観(企業短期経済観測調査、6月調査)、3日に10 年利付国債入札や米雇用統計などを控えている。リーマン・ブラザーズ証券チ ーフJGBストラテジストの山下周氏は、こうしたイベントで入札以外は売り 材料にならないと予想。円債相場は、「ボラティリティー(変動率)低下によ って、投資家は徐々にリスクを取りやすくなってくるとみられ、戻り基調は続 く」との見方を示している。

米債は上昇、株急落や信用懸念の高まりで

26日の米国債相場は上昇。株価急落に加え、信用市場の損失拡大懸念で年 内は米利上げが見送られるとの観測が強まった。2年債利回りはほぼ3週間ぶ りの大幅な低下となった。BGキャンター・マーケット・データによると、2 年債利回りは前日比15bp低下して2.67%。一時は2.65%と、今月9日以来の 低水準となった。10年債利回りは前日比7bp低下し4.03%。

一方、米株相場は急反落。ダウ平均株価は前日比358ドル41セント安の 1万1453ドル42セントで安値引け。年初来安値を更新し、2006年9月以来の 安値となった。

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Kosaka,Tetsuzo Ushiroyama

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