天然ガス:ロッキー山脈などで高コストの開発加速-相場75%高騰で

天然ガスが過去8年で最大の上昇率を示 すなか、米国の生産各社は、これまでコストが掛かり過ぎると考えられていた ガス井の掘削を進め、アパラチア山脈やロッキー山脈などで放棄されていたガ ス田を再生させようとしている。

デボン・エナジーとレンジ・リソーシーズは、従来の垂直型のガス井と比 較して3倍のコストが掛かる水平型のガス井を掘削している。ガス先物相場が 年初来で75%も高騰する前は、岩層からのガスの抽出は採算が取れなかった。 油ガス田サービス会社のベーカー・ヒューズの調査によると、稼働しているガ ス掘削装置の数は先週、9カ月ぶりの高水準となった。

ガス生産や掘削の請負会社ユニット(オクラホマ州)のラリー・ピンクス トン最高経営責任者(CEO)は「相場が上昇していれば、生産会社はなるべ く迅速に増産するため、ガス井の掘削を増やしたいと考える。このため、わが 社が掘削するガス井の数は増えることになる」と語る。

ニューヨークのガス先物相場の上昇率は、原油の45%を超え、石炭を除く 他のすべての商品銘柄を上回っている。ナチキシス・ブレイクロウダー(ヒュ ーストン)のアナリスト、ロジャー・リード氏は、米国のガス需要の伸びがこ とし、4%となり、新規の供給の伸びの2倍となる可能性が高いとみている。

ガス相場の上昇率は、相場が2倍以上に上昇した2000年上期(1-6 月)以降で最大となっている。ガス先物相場は今月、100万Btu(英国熱量 単位)当たり13ドルを超えた。13ドルを突破したのは、ハリケーン「カトリ ーナ」と「リタ」がメキシコ湾に襲来し、ガス井の操業が停止された05年以 降で初めて。リード氏は、ガス相場の上昇要因として「衰えることのない電力 需要の伸び」や輸入が予想を下回ったこと、石炭や原油の代替需要の拡大を挙 げている。

リード氏は、新規の開発プロジェクトにより米国のガス供給は09年に

3.6%増と、1994年以降で最大の増加率を示すと予想している。米連邦所有地 のエネルギー開発を管轄する米土地管理局によると、同局が07年10月1日ま での1年間に発行した開発免許の数は7124と、前年比5.7%増となった。この うち9割はワイオミング、ニューメキシコ、ユタ、コロラドの4州でのプロジ ェクトに対して発行された。

レバレッジド・バイアウト(LBO、買収先の資産を担保に資金調達す る買収)を手掛けるパイン・ブルック・ロード・パートナーズ(ニューヨー ク)のマネジングディレクター、マイケル・マクマホン氏は、掘削装置や従業 員の争奪が激化し、生産会社のコストが増加しているとの見方を示した。

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