東京外為:円がもみ合い、実需の売りで伸び悩み-株安で円高リスク警戒

午前の東京外国為替市場では円が対ドルで 約2週間ぶり高値圏でもみ合った。企業業績懸念や原油価格の高騰を背景に米 国株が急落したことを受け、日本株も大幅安となるなか、投資リスクを回避す るため、円売り・高金利通貨買いの持ち高を解消する動きが警戒されたが、1 ドル=106円台では国内実需筋の円売り需要が強く、円の上値は抑えられた。

ドル・円相場は朝方に1ドル=106円66銭(ブルームバーグ・データ参照、 以下同じ)と海外時間につけた約2週間ぶりの円高値にあと4銭と迫ったが、 その後は円が伸び悩み、一時は107円09銭まで値を戻した。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、これまでド ル・円はドル安で出遅れていたが、株安に反応する形で支持線を下抜けたこと で、107円台前半に向けては「ドルの戻り売り意欲が強い」と指摘。国内輸入企 業や外貨建て投信の設定に絡んだドル買いが一巡した後は、再びドル安・円高 の動きが強まり、「ドル・円は106円30銭ぐらいをトライしに行く可能性があ る」とみている。

ユーロ・円は前日に1ユーロ=169円46銭とユーロ導入以来の円最安値を 更新後、168円ちょうど付近まで円が反発。この日の東京市場午前の取引では 168円台前半から半ばでもみ合う展開が続いた。

株安でリスク回避再燃

前日の米株式相場は、最高値圏にある石油価格や信用市場の評価損、米景 気減速が企業の通期利益を脅かしていることから売りを浴び、ダウ工業株30種 平均が2006年9月以来の安値まで急落。27日午前の東京株式相場も大幅安とな り、日経平均株価は約2カ月ぶりに一時1万3500円を割り込み、約7カ月ぶり の7日続落となっている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネージャーは、最近 は株と円相場の相関が低く、株安でも円高に動きづらい相場展開となっていた が、ドル・円は「きのうの株安を受けて107円台を割り込む動きになっており、 最近のレンジを下抜けてきたような受け止められ方がある」と語る。

もっとも、「需給的に月末が近いということ、週末ということ、また久々 の106円台ということもあるので、ドル買い需要もある程度想定される」(清 水氏)といい、ドル安・円高の動きにはいったん歯止めが掛かる格好となって いる。

欧米金利差拡大期待

ユーロ・ドルは1ユーロ=1.57ドル半ばから前半と9日以来、約3週間ぶ りのユーロ高水準で推移。米国の早期利上げ観測が後退する一方、欧州中央銀 行(ECB)は7月に利上げを実施する姿勢を示しており、欧米の金利差拡大 期待からユーロは対ドルで底堅い展開が続いている。

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日の米連邦公開市場委員会(FOM C)定例会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置く ことを決定。声明は「経済成長の下振リスクが残るものの、幾分か縮小したも ようであり、インフレとインフレ期待の上振れリスクは拡大した」とインフレ への警戒度を高めたが、早期の利上げを直接示唆するには至らなかった。

資産管理サービス信託銀の野村氏は、「米国も利上げに向けて手を打ち始 めた感じはあるので、今後は相対的なドル金利の低さとユーロの強さもピーク を迎える可能性がある」としながらも、7月3日にECB会合を控え、目先は ユーロがしっかりとした展開が続くと予想している。

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