日経平均が一時2カ月ぶり13500円割れ、米景気不安で金融や輸出売り

午前の東京株式相場は大幅安。日経平均 株価は約2カ月ぶりに一時1万3500円を割り込み、約7カ月ぶりの7日続落 となった。金融混乱や原油価格の最高値更新から米国景気の先行き不安が高ま り、みずほフィナンシャルグループやトヨタ自動車など金融や輸出関連を中心 に幅広く売られた。信用警戒の動きから、その他金融や不動産の下げがきつい。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、 「現在のインフレは年金など投資家の資金が入っているのが原因で、利上げは 需要を減少させたとしても資金の動きには影響を与えられない」と指摘した。 景気が悪化傾向にある時期に米欧がインフレ抑制のために利上げに動くことに なれば、「世界景気を壊すかもしれない」と浜崎氏は警戒している。

日経平均株価の午前終値は前日比307円20銭(2.2%)安の1万3515円 12銭、TOPIXは27.31ポイント(2%)安の1317.48。東証1部の売買高 は概算で9億1013万株、売買代金は同9906億円。東証1部の値上がり銘柄数 は169、値下がり銘柄数は1473。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が3、値下がり業種が 30。電気・ガス、鉱業、水産・農林が高い。電気機器、銀行、輸送用機器、機 械、卸売、不動産、医薬品などが安い。

スタグフレーションの足音

米ダウ工業株30種平均がこれまで下値めどとされていた1月安値をつい に下回ったことで、年内の米国景気の回復期待が後退した。金融不安や原油高 を背景とする世界景気の先行きに対する不安感が高まり、日経平均は過去2カ 月間のボックスの下限を割り込んだ。

ゴールドマン・サックス・グループは金融大手シティグループや自動車の ゼネラル・モーターズ(GM)の売りを推奨。その一方、26日のニューヨーク 原油先物相場は急伸し、一時140ドル台と過去最高値を更新するなど商品価格 は上昇した。景気減速とインフレが進むスタグフレーションにより、企業業績 への不透明感が強まった。

原油価格については、投機筋の買いポジションの減少、米国の原油在庫が 例年と比べて少ないことから、なお強含むとの観測が台頭。石油輸出国機構 (OPEC)議長は今夏に原油相場が170ドルに上昇するとの見方を示してい る。ニューヨーク商業取引所によると、WTI原油の投機筋のポジションは5 月中旬から低下傾向が強まり、17日現在で2月5日以来の低水準となっている。

東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、「米国株はこれまでの 金融不況から、景気後退へ対応する動きとなってきた」と指摘。その上で、 「第2次オイルショック以来となるスタグフレーションが起こっていることに、 市場はとまどっている」と話す。米国の利下げカードがない現状では、4-6 月期決算で悪材料が出尽くすまで、厳しい状況が続くと隅谷氏は予想。チャー トで見たダウの下値めどとして、06年7月18日の1万683ドルがあるという。

ブルームバーグがまとめたデータによると、S&P500種に採用されてい る企業の第1四半期の利益は平均で18%減、減益は3四半期連続だった。4- 6月期の利益は8.9%減が予想されている。

その他金融と不動産安い

クレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場では、信用不安からきの うの欧米市場やきょうの日本市場で社債保証コストが上昇している。同指数上 昇は信用の質が劣化したとの認識を示しており、信用警戒から東証1部の業種 別下落率ではその他金融株と不動産が1、2位を占めた。

不動産株では、300億円のCB発行を決議したアーバンコーポレイション が急落して上場来安値を更新。ジョイント・コーポレーションやシーズクリエ イト、フージャースコーポレーション、アトリウム、サンシティも急落した。 その他金融株では、アイフルや武富士が最安値、クレディセゾンも下落率上位 に入った。アイフルは、自社の不良債権問題を指摘したリーマン・ブラザーズ 証券に対し、法的措置視野に入れた対応を検討していると発表した。

ソニーが反落、東電は続伸

個別銘柄では、きのう新中期経営方針を発表したソニーが、想定通りの内 容とされて急反落。中国子会社との取引にからみ、大阪国税局から移転価格税 制に基づく更正通知を受けたダイキン工業も安い。国内市販用タイヤの再値上 げをきのう発表したブリヂストンは、値上げ後も今期の減額修正懸念は払しょ くできないと受け止められ7日連続安。3-5月期(第1四半期)の連結営業 利益が前年同期比13%減となったスター精密は大幅安となった。

半面、野村証券金融経済研究所が投資判断を引き上げた東京電力が売買を 伴って3日続伸。原油価格の最高値から、国際石油開発帝石ホールディングス や石油資源開発など鉱業株も上げた。会員制のタクシー予約事業を手掛ける子 会社のトランを売却し、経営資源を中核事業に集中すると発表したドワンゴも 堅調。メリルリンチ日本証券が格上げした日本水産、クレディ・スイス証券が 格上げしたコーエーはそれぞれ急伸。

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