東京外為:円がもみ合い、株安でリスク回避-106円台では実需の売りも

午前の東京外国為替市場では円が対ドルで 約2週間ぶり高値圏でもみ合っている。企業業績懸念や原油価格の高騰を背景 に米国株が急落したことを受け、日本株も大幅安となるなか、投資リスクを回 避するため、金利差狙いの円売り・高金利通貨買いの持ち高を解消する動きが 出やすい。ただ、久々の円高水準ということで、本邦実需筋の円売り需要も見 込まれ、円の上昇には歯止めがかかっている。

ドル・円相場は朝方に1ドル=106円66銭(ブルームバーグ・データ参照、 以下同じ)と海外時間につけた約2週間ぶりの円高値にあと4銭と迫ったが、 その後は107円前後まで円が伸び悩む場面も見られている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネージャーは、「最 近は株と円相場の相関が低く、株安でも円高に動きづらい相場展開となってい たため、ドル・円は107円台後半から108円台前半でのこう着感が強まってい た。きのうの米株安を受けて107円台を割り込む動きになったことで、最近の レンジを下抜けてきたような受け止められ方がある」と語る。

株安でリスク回避再燃

26日の米株式相場は、最高値圏にある石油価格や信用市場の評価損、米景 気減速が企業の通期利益を脅かしていることから売りを浴び、ダウ工業株30種 平均が2006年9月以来の安値まで急落。投資家のセンチメントを示すシカゴ・ オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX、別 名「恐怖指数」)は23.93と11日以来の水準まで上昇した。

米国株安を受け、週末の東京株式市場でも、日経平均株価が一時、300円以 上下げ、4月25日以来、約2カ月ぶりに1万3500円を割り込む場面がみられ ている。

清水氏は、米国株の大幅安の影響は避けられないものの、「最近は米国株 の下落と比較すると日本株の方が相対的に底堅い動きをみせているため、日本 株がここで踏み止まれるかどうか」に注目している。

米国株安が進むなか、26日の海外市場では円の買い戻しが活発となり、対 ユーロでは1ユーロ=169円46銭とユーロ導入以来の円最安値から一時、168 円ちょうど付近まで円が反発。オーストラリア・ドルやイングランド銀行(英 中央銀行)のキング総裁のタカ派発言を手掛かりに上昇していたポンドに対し ても、円はそれぞれ約7カ月半、5カ月ぶり安値から値を戻した。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部長の斉藤裕司氏は、株安が進む なか、「投資行動的にはリスク回避の動きから全般的に円買い圧力が強まる」 と予想。ただ、月末を控えて投信設定に絡む円売り需要に加えて、国内輸入企 業のドル買いの観測も聞かれており、ドル安・円高の進行は限定される可能性 があると指摘している。

利上げ観測後退でドルの上値重い

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日の米連邦公開市場委員会(FOM C)定例会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置く ことを決定。声明は「経済成長の下振リスクが残るものの、幾分か縮小したも ようであり、インフレとインフレ期待の上振れリスクは拡大した」とインフレ への警戒度を高めたものの、早期の利上げを直接示唆するには至らなかった。

26日のニューヨーク原油先物相場は急伸し、一時1バレル=140ドル台と 過去最高値を更新。一方、アジア時間27日の時間外取引では、米下院がエネル ギー市場での過度の投機の抑制を目指す法案を可決したことを受け、140ドルを 割り込んだ水準で推移している。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、8月のFOM Cでの利上げが実施される確率は約25%。1週間前は44%だった。

米国の早期利上げ観測が後退する一方、欧州中央銀行(ECB)は7月に 利上げを実施する姿勢を示しており、欧米の金利差拡大期待からユーロ買い・ ドル売りが先行しやすい展開が続いている。

ユーロ・ドルは前日に一時、1ユーロ=1.5767ドルと9日以来の水準まで ユーロ高が進行。東京市場午前の取引でも1.57ドル半ばでユーロが堅調に推移 している。

三菱UFJ信託銀の清水氏は、FOMC声明では利上げ方向が打ち出され てはいるものの、簡単には利上げに動けないとも受け止められており、「利下 げも利上げもできないというような機動的なかじ取りができにくくなったとい うことで、米国経済の先行きについては不透明感を残すような形になっている」 と指摘。目先はこれまでのドル高が調整局面を迎える可能性があるとみている。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

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