日本株は大幅安、米景気不安で金融中心幅広く売り-厳しい局面持続も

午前半ばの東京株式相場は大幅安。日経 平均株価は約2カ月ぶりに一時1万3500円を割り込んだ後も、戻りが鈍い。 金融混乱や原油最高値から米国景気に対する不安感が高まり、みずほフィナン シャルグループやトヨタ自動車、ソニーなど金融株や輸出関連を中心に幅広く 下落。東証1部業種別下落率の上位にはその他金融、保険、証券・商品先物取 引、銀行など金融が多数占めている。

東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、「米国株はこれまでの 金融不況から、景気後退へ対応する動きとなってきた」と指摘。その上で、 「第2次オイルショック以来となるスタグフレーション(景気後退期の物価上 昇)が起こっていることに、市場はとまどっている」と話す。米国の利下げカ ードがない現状では、4-6月期決算で悪材料が出尽くすまで厳しい状況が続 こうと、隅谷氏は予想した。

午前10時5分時点の日経平均株価は前日比281円93銭(2%)安の1万 3540円39銭、TOPIXは25.90ポイント(1.9%)安の1318.89。東証1部 の売買高は概算で6億23万株。東証1部の値上がり銘柄数は139、値下がり銘 柄数は1524。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が3、値下がり業種が 30。鉱業、水産・農林、電気・ガスが高い。電気機器、銀行、輸送用機器、機 械、化学、不動産などが安い。

米ダウ指数が1月安値割る、社債保証コストも上昇

米ダウ工業株30種平均がこれまで下値めどとされていた1月安値を下回 ってきたことで、世界景気の先行きに対する不安感が高まり、日本株も幅広く 売り注文が先行している。十字屋証券の岡本征良投資情報室長は、「きょうは 月末と週末で持ち高を増やしにくいことから、下落後も戻りにくい相場展開と なりそう」(同氏)という。

27日のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場では、日本の社債 保証コストが上昇した。クレディ・スイス・グループによれば、投資適格級の 日本企業50社の社債で構成するマークイットiTraxx日本指数は日本時 間午前、9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の142bp。同指 数上昇は信用の質が劣化したとの認識を示しており、信用警戒から東証1部の 業種別下落率ではその他金融株や不動産が1、2位を占めている。

こうした中、取引開始前に発表された国内の5月の鉱工業生産は前月比

2.9%増と、ブルームバーグ・ニュースの事前調査(2.7%増)を上回った。一 方で、5月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年同月比1.5%上昇 と、これも事前調査(1.4%上昇)を上回り、インフレが意識されやすい状況 にある。

ブリヂストやアイフル下げ、東電は大幅続伸

個別銘柄では、国内市販用タイヤの再値上げをきのう発表したブリヂスト ンが、値上げ後も今期の減額修正懸念は払しょくできないとして下げた。3- 5月期(第1四半期)の連結営業利益が前年同期比13%減となったスター精密 が急落。中国子会社との取引にからみ、大阪国税局から移転価格税制に基づく 更正通知を受けたダイキン工業、日興シティグループ証券が目標株価を引き下 げたライオンも安い。

その他金融株では、アイフルや武富士、クレディセゾンなどが下落率上位。 アイフルに関しては、自社の不良債権問題を指摘したリーマン・ブラザーズ証 券に対し、法的措置視野に入れた対応を検討していると発表した。

半面、野村証券金融経済研究所が投資判断を引き上げた東京電力が3日続 伸。原油価格の最高値から、国際石油開発帝石ホールディングスも上げた。古 河電池や東京製綱など電池関連や太陽電池関連の一角も堅調。

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