東京外為:円が底堅い、株安で買い戻し圧力-リスク回避再燃、106円後半

朝方の東京外国為替市場では円が底堅く推 移している。前日には企業業績に対する不安や原油価格の高騰を背景に米国株 が急落。日本株も大きく下落して始まり、投資リスクを回避するため、金利差 狙いの円売り・高金利通貨買いの持ち高を解消する動きが出やすい状況となっ ている。

ドル・円相場は1ドル=106円台後半と約2週間ぶりの円高水準で推移。前 日の海外市場では一時、106円62銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ) まで円買いが進んでおり、目先は輸入企業など国内実需筋の動向にも注目が集 まる。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部長の斉藤裕司氏は、米大手金融 機関の評価損をめぐる観測で、具体的な計上額が指摘されていることから、信 用不安が意識されやすいと指摘。「米株が大幅安となったことで、日本株の下 落も見込まれ、投資行動的にはリスク回避の動きから全般的に円買い圧力が強 まる展開が予想される」としている。

一方、朝方には5月の消費者物価指数や鉱工業生産指数などの国内指標が 発表されたが、ほぼ予想通りの結果で、相場への影響は限られた。

企業業績懸念と原油高騰で米株急落

26日の米株式相場は急落。最高値圏にある石油価格や信用市場の評価損、 米景気減速が企業の通期利益を脅かしていることから売りを浴び、月初来のダ ウ工業株30種平均の下げ(9.4%)は、6月としては大恐慌以来で最悪となっ た。

投資家のセンチメントを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボ ラティリティ・インデックス(VIX、別名「恐怖指数」)は23.93と11日以 来の水準まで上昇。ゴールドマン・サックス・グループが売り上げ見通しの悪 化に伴い、株式投資判断を「売り」に引き下げたゼネラル・モーターズ(GM) 株が急落。シティグループも、ゴールドマンが4-6月(第2四半期)に89億 ドルの評価損を追加計上する可能性があると指摘したことから大幅安となった。

米国株安が進むなか、26日の海外市場では円の買い戻しが活発となり、対 ユーロでは1ユーロ=169円46銭とユーロ導入以来の円最安値から一時、168 円ちょうど付近まで円が反発。オーストラリア・ドルやイングランド銀行(英 中央銀行)のキング総裁のタカ派発言を手掛かりに上昇していたポンドに対し ても、円はそれぞれ約7カ月半、5カ月ぶり安値から値を戻した。

欧米金利差拡大期待

26日のニューヨーク原油先物相場は急伸し、一時1バレル=140ドル台と 過去最高値を更新した。リビアが産油量を削減する可能性に言及したことに加 え、石油輸出国機構(OPEC)議長は今夏に原油相場が170ドルに上昇する とともにドルが下落する可能性があるとの見方を示した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日の米連邦公開市場委員会(FOM C)定例会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置く ことを決定。声明は「経済成長の下振リスクが残るものの、幾分か縮小したも ようであり、インフレとインフレ期待の上振れリスクは拡大した」とインフレ への警戒度を高めたものの、早期の利上げを直接示唆するには至らなかった。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、8月のFOM Cでの利上げが実施される確率は約25%となっている。1週間前は44%だった。

米国の早期利上げ観測が後退する一方、欧州中央銀行(ECB)は7月に 利上げを実施する姿勢を示しており、目先は欧米の金利差拡大期待からユーロ 買い・ドル売りが先行しやすい展開が続きそうだ。

ユーロ・ドルは前日に一時、1ユーロ=1.5767ドルと9日以来の水準まで ユーロ高が進行。東京市場早朝の取引でも高値付近でユーロが堅調に推移して いる。

--共同取材:三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya

+81-3-3201-2371 hkomiya1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Sandy Hendry

+852-2977-6608 shendry@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE