5月小売販売額は前年比0.2%増-伸び減速で基調判断は下方修正(2)

5月の日本の小売業販売額は、前年同月比

0.2%の増加と10カ月連続のプラスとなったものの、増加ペースが大幅に減速し ていることを受けて、経済産業省は基調判断を下方修正した。

同省が27日発表した商業販売統計によると、季節調整済みでは前月比0.2% 減だった。ブルームバーグ・ニュースの事前調査によると、エコノミストの予想 中央値は前年同月比が横ばい、季節調整済み前月比では0.5%減だった。

同省の荒井隆秀産業統計室長は統計発表後の記者説明で、「小売業販売額は10 カ月連続で前年水準を上回っているものの、4月、5月と2カ月連続して伸びが 大きく縮小している」として、基調判断をこれまでの「持ち直しの動きが見られ る」から「おおむね横ばい」に下方修正したことを明らかにした。判断の下方修 正は昨年1月以来。

個人消費関連の指標は、減少の兆しが表れ始めている。これまで発表されて いる5月の指標は、たばこ自販機の成人識別カード「タスポ」導入の影響でたば こ販売が増加したコンビニの売上高が前年比プラスになった以外は、総じて落ち 込んだ。百貨店とスーパーの売上高は前年割れが続いたほか、新車販売台数も2 カ月ぶりに減少した。また、食料品や石油製品の価格上昇を背景に、消費者マイ ンドの悪化も進んでいる。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは発表前のリポートで、小 売業販売額の前年比プラスを予想しながらも、「物価上昇により押し上げられてい る面も大きく、実質ベースではマイナスである」と指摘。「生活必需品価格上昇の 影響が出ているほか、中旬以降の気温低下や週末ごとの雨天などの天候不順もマ イナス要因になった」との見方を示した。

5月は小売業販売を構成する7業種のうち、飲食料品小売業などが増加に寄 与したものの、織物・衣服・身の回り品小売業などが押し下げ要因となった。特 に、気温の変動が大きく、雨が多いなど、天候不順による夏物衣料の不振が響い た。

荒井室長は、価格上昇の影響で「消費者のプライベートブランド商品や特価 品志向が強くなってきている」と指摘した。また、これまで堅調だった自動車販 売も伸びが減速していることから、「販売面からみた消費は弱含んでいる」との見 方を示した。

5月の大型小売店販売額は既存店ベースで前年同月比2.1%減。エコノミスト 12人の予想中央値は2.0%減だった。百貨店、スーパーともに前年割れだった。 飲食料品は堅調だったものの、天候不順の影響で夏物衣料の動きが鈍かった。

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