5月の鉱工業生産指数は反動で3カ月ぶり上昇-判断は下方修正

5月の日本の鉱工業生産指数は、3、4月 に2カ月連続で低下した反動で3カ月ぶりに上昇した。先行きの生産動向を示 す予測指数は6月が低下、7月は上昇となり、同省は生産について「横ばい傾 向であるが弱含んでいる」とし、前月までの「横ばい傾向」から判断を引き下 げた。

経済産業省が27日発表した鉱工業生産指数(速報)によると、5月は前月 比2.9%上昇し、109.4(季節調整済み、2005年=100)となった。前年同月比 では1.2%の上昇。同時に発表した6月の製造工業生産予測指数は前月比0.9% の低下、7月は2.2%の上昇となった。ブルームバーグ・ニュースがエコノミス ト38人を対象に行った調査では、予想中央値は前月比2.7%の上昇だった。

米景気減速懸念に伴う輸出の鈍化に加え、エネルギー・原材料高に伴う企 業収益の減少などを背景に、企業は生産調整を余儀なくされるとの見方が強ま っている。政府は6月の月例経済報告で、「景気回復は足踏み状態にあるが、こ のところ一部に弱い動きがみられる」とし、基調判断を3カ月ぶりに下方修正 した。生産についても「このところ弱含んでいる」と下方修正した。

三菱総合研究所の後藤康雄チーフエコノミストは発表前に、「5月の数字自 体は悲観的になる必要はないが、よしんば、良い数字が出ても今後は悪くなる。 また、予想外に悪ければ、景気後退が早まるとの見方になるだろう」と語った。 さらに「輸出の鈍化傾向がはっきりする中で、設備投資も鈍っていく」とし、 生産は今後、「頭打ちから減少傾向が鮮明になるだろう」と述べた。

在庫率は低下

発表によると、5月の出荷は前月比2.1%上昇、在庫は同0.5%上昇、在庫 指数を出荷指数で割った在庫率は前月比0.2%低下した。このうち、電子部品・ デバイスの生産は同3.1%上昇、在庫は1.7%上昇した。

日本政策投資銀行調査部の鈴木英介調査役は発表前に、「今回の最大の注目 点は、6月、7月の予測指数も含めて、過去最高を付けた2月の生産指数110.2 の水準を上回ることができるかだ」と指摘。その上で、「6月、7月の生産が2 月の水準を下回るとの見通しとなった場合は、1-3月期を景気の『山』とす る景気後退局面入りの可能性が高くなるだろう」との見方を示した。

内閣府は6月の月例経済報告で、生産と関連がある設備投資について、「お おむね横ばい」との判断を維持したものの、大田弘子経済財政相は24日の会見 で、景況感や企業収益の悪化が「徐々に設備投資に影響を与えてくるのではな いかとみている。収益の悪化が設備投資にどう波及してくるか、1つの懸念材 料だ」との認識を示した。

財務省と内閣府が23日発表した4-6月期の法人企業景気予測調査による と、大企業・全産業の景況判断BSIはマイナス15.2と前期比5.9ポイント悪 化した。また、ブルームバーグ・ニュースが民間調査機関20社を対象にまとめ た予想調査(中央値)では、日本銀行が7月1日発表する企業短期経済観測調 査(6月短観)で、大企業製造業・非製造業の業況判断DIはいずれも今年3 月の前回調査の実績から悪化が見込まれている。

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