米国債:上昇、信用市場の損失拡大懸念が再燃-株安も追い風(2)

米国債相場は上昇。株価の大幅安に 加え、信用市場の損失が拡大するとの懸念で年内は米利上げが見送られ るとの観測が強まった。2年債利回りはほぼ3週間ぶりの大幅な低下。

ゴールドマン・サックス・グループは米銀大手シティグループが第 2四半期に89億ドルの評価損を計上する可能性があると指摘した。また、 この日実施された5年債入札(規模200億ドル)の需要は昨年10月以来 の最高だった。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズの債券共同責任者、E・ クレイグ・コーツ氏は「誰もが落ち着きのない状況だ。不安感や先行き 不透明感は非常に強い」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間 午後4時15分現在、2年債利回りは前日比14bp低下して2.67%。一 時は2.65%と、今月9日以来の低水準を付けた。2年債価格(償還期限 2010年6月、表面利率2.875%)は1/4上昇し100 3/8。

10年債利回りは前日比6bp低下し4.04%。一時は4.02%と、こ こ2週間以上で最低水準を付けた。

入札での需要

5年債相場は上昇、利回りは11bp低下の3.41%。午後に実施され た米財務省の5年債入札(発行額200億ドル)では需要が予想を上回っ た。最高落札利回りは3.44%と、入札直前の市場予想の3.461%を下回 った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.48倍と、前回の1.84倍 を上回り、ここ8カ月間での最高水準だった。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの金利ストラテジスト、 クラシュ・ミストリー氏は「入札前でさえ大幅に上昇していたが、買い 意欲が非常に強かったようだ」と述べた。「リスクの高い資産がここ数 日、非常に軟調な展開となっていることも、明らかに米国債相場の上昇 に貢献している」と付け加えた。

株価の動向

米株式相場は下落。ダウ工業株30種平均は2006年9月以来の安値 を付け、債券への買いを誘った。ダウ平均は前日比3%安で取引を終え た。

バンガード・グループ(ペンシルベニア州バレーフォージ)で750 億ドルの米国債運用を手がけるデービッド・グロック氏は「市場参加者 は株式市場から逃げ出すように、債券市場に資金を移している」と指摘 した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物 相場は一時、バレル当たり140.39ドルと過去最高値を付けた。リビアが 減産の可能性を表明したことに加え、石油輸出国機構(OPEC)議長 が原油相場が夏場に170ドルに上昇する可能性を指摘したことが材料だ った。

朝方は米自動車メーカー3位のクライスラーが破産法の適用を申請 するとの憶測が広がり、安全な投資先としての米国債買いが膨らんだ。 同社は破産申請は検討していないと表明し、憶測を否定した。

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