清水東電新社長:今年度は燃料費6000億円超の負担増も-原発停止響く

東京電力の社長に26日就任した清水正孝 氏(64)は、2008年度の燃料費が6000億円以上の負担増になるとの見方を示し た。燃料代高騰に加え、新潟・中越沖地震後、停止している柏崎刈羽原子力発 電所についても「具体的な再開の時期は未定」とし、代替の火力発電に頼らざ るを得ない現状を指摘した。清水氏は正式就任に先立ち、ブルームバーグテレ ビジョンのインタビューに答えた。

清水氏は、08年度の燃料費の負担増加について「通年で柏崎刈羽原発が停 止したと仮定した場合、6000億円以上を考えている」と述べた。07年度の燃料 費は合計で1兆7000億円、08年度はその水準を上回るのは必至とみられる。同 氏は、「仮に原油先物価格の水準が1バレル=140ドル台を続ければ、今年度は 2兆円に達する可能性もある」と予想した。

市場の見方は、東電以上に厳しい。みずほ証券の角田樹哉アナリストは、 東電の09年3月期の収支見通しで燃料費について、原油価格は1バレル=129 ドルを前提に約2兆7000億円と想定している。

料金大幅改定の可能性も

燃料費高騰を背景にした電気料金見直しについて、清水氏は「コストダウ ンに取り組んでいるが、燃料費の高騰は燃量費調整制度(燃調制度)の制限枠 を超える可能性がある」と述べ、現行の制度見直しの必要性について言及した。 「制度改定は監督官庁が決めることだが、燃料価格が電気料金原価へ与える影 響の大きさについて説明し、理解を求める」と語った。

清水社長は26日の記者会見で、9月をめどに電気料金の算定方法を見直し 来年1月以降の料金に反映させていく考えを正式に表明した。東電としては今 後、基準価格に対して50%の燃調制度の上限の引き上げや撤廃について検討し、 東電自身による28年ぶりの料金引き上げとなる「本格改定」も視野に入れる。 本格改定は設備投資や人件費などの原価を計算し、電力会社自身の意向を料金 に反映させるもの。

燃料調達にはバーゲニングパワーが必要

中国をはじめとする新興国のエネルギー需要拡大で、日本の電力各社も安 定的な燃料確保が急務となっている。清水氏は「買い手側のバーゲニングパワ ーを高めることは重要」との認識を示し、「液化天然ガス(LNG)の契約交 渉では、以前のようにコンソーシアム(共同事業体)を組むことも必要」と柔軟 な姿勢を示した

LNG調達では、かつては日本の電力、ガス会社などの買い手側がコンソ ーシアムを組んで売り手と交渉していたが、電力・ガスの自由化以後は個々の 会社が個別に交渉している。ところが、燃料高騰を背景に新興国との資源調達 競争がし烈となり、他の電力会社首脳からもオールジャパンで交渉に臨む必要 性を説く意見が出ている。

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