野村HDの株主総会:インサイダー、サブプライムで質問相次ぐ(2)

野村ホールディングス(HD)が26日 に都内で開いた株主総会では、4月に発覚したインサイダー事件や前期の赤 字転落要因となったサブプライム問題についての質問が相次ぎ、議長の渡部 賢一社長は説明に追われた。一部の株主からは同社の経営に依然として不安 との声が上がっていた。

総会の冒頭では、渡部社長(55)が元社員によるインサイダー事件につ いて陳謝。同事件に関連しては、監視カメラの設置や内部監査の強化などを 通じて再発防止に努めていくとし、株主らに理解を求めた。総会に同席した 取締役はサブプライム関連の投資残高はゼロとなったことから今期の損失 は発生しないと言明した。

野村株2000株を保有する個人投資家の深田均氏(70)は、「今回のサ ブプライム損失やインサイダー事件は氷山の一角かもしれない」と語り、欧 米金融機関が相次いで資本増強に追い込まれている状況から、「今後も損失 が拡大するのでは」と懸念を示した。現在、深田氏はトヨタ自動車やNTT、 ソフトバンクなど15社の日本株に投資しているが、野村株については「近 く売却する」と言う。

今回の総会はメディアには非公開で行われた。野村広報の藤原道頼氏に よれば、都内のホテルで開催された総会には1935人の株主が出席し、サブ プライム問題やインサイダー事件も含め29件の質問が寄せられた。所要時 間は2時間22分だった。

サブプライム「天災のようなもの」

4月に就任した渡部社長にとっては、今回が議長として初めての総会と なった。野村HDの前期(2008年3月)決算はサブプライム関連損失が膨ら んだ結果、678億円の純損失と01年の持ち株会社化後、初の赤字に転落した。 また、M&A(合併・買収)関連部署を舞台に発覚したインサイダー事件で は、元社員が逮捕される事態となった。

一方で、野村株1000株を持つ会社員の山口隆三氏(60)ら別の株主か らは、サブプライム問題やインサイダーの再発防止策など会社側の説明に一 定の理解を示し、野村株の保有を維持するとの声も聞かれた。小雨の降る中、 会場に訪れた76歳の元証券マンは、サブプライム問題はいわば天災のよう なものとして、今後の野村のビジネス拡大策に期待を寄せた。

司法試験受験生の光山尚氏(31)は、野村が米国でリスクをとってリタ ーンを追及したことを前向きに評価した上で、「今後もヨーロッパやアジア などでの事業展開を目指して欲しい」と語った。

野村HDの株価は年初から14%下落し、東証の証券株指数の下落率11% を超えて売られている。26日の終値は1625円と、投資の長期平均コストと もいえる200日移動平均(1771円)と比べても8%超下回る。株主の山口氏 は「私の最大の関心事は株価だ。一刻も早く利益を拡大し、株価を上げて欲 しい」と渡部社長に対して経営改革を望んだ。

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