政府:原油高騰で追加対策-漁業、運送業などへ支援強化(2)

政府は26日午後、首相官邸で「原油高騰に 関する緊急対策関係閣僚会議」を開き、農林漁業や運送業、中小企業などへの 追加的な支援策を盛り込んだ「原油等価格高騰対策」を決定した。2007年12 月に続く第二弾だが、新たな予算措置を行わないことを前提としており、既存の 施策の強化、改善が中心となる。

漁業者向け対策では、燃料などで省エネルギー型の操業を目指す取り組み への支援強化を明示、さらに、「非常事態に対応した抜本的対策の導入に向け た検討を行う」との一文も盛り込まれた。運送業者の負担軽減策としては高速道 路の夜間料金の引き下げや、割引時間帯の拡大を打ち出した。

与党内では、原油高と岩手・宮城内陸地震の被災者対策を合わせた08年 度補正予算案の編成を求める声が広がっている。町村信孝官房長官は26日 午後の定例会見で原油高対策について、「補正予算を必要と判断していない。 直ちに補正を組まないとこれらの対策が動かない状態ではない」とした上で、今 後、原油高の影響を見極めながら政府として弾力的に対応する考えを示した。

政府は07年12月、寒冷地の高齢者向けの灯油購入費補助や輸送業者を 対象に高速道路の深夜料金の値下げなどを盛り込んだ原油高対策をまとめ、07 年度補正予算と08年度当初予算で総額2150億円を計上している。

今回の対策で政府は、「価格動向およびその影響を引き続き注視し、状況変 化に応じ適切かつ機動的な対応を図る」としており、さらなる追加策の検討にも 含みを持たせている。

首相:原油価格は異常な水準

福田康夫首相は関係閣僚会議の終了直前にあいさつし、「原油価格は史上 最高の異常な水準にあり、国民生活や企業経営を直撃している。関係閣僚はそ れぞれの施策が早急に効果を発揮できるように特段の取り組みをお願いした い」と指摘し、対策の早期実施に向けた決意を示した。また、「7月の主要国首脳 会議(洞爺湖サミット)で国際石油市場の安定に向けた国際協調を各国首脳に 呼び掛けたい」とも述べた。

対策は①国際石油市場の安定化への働きかけ②中小企業対策③業種別対 策④離島など地方対策、国民生活への支援⑤省エネルギー・新エネルギー等 構造転換対策-が柱。

石油市場への働きかけでは、投資の拡大、投機資金を含めた石油市場の価 格要因の分析、市場の透明性の増大などに取り組む姿勢を示した。

燃料費高騰で漁業者が一斉休漁へ

07年12月に1バレル=90-100ドルをつけていたニューヨーク原油先物相 場の原油価格は08年に入って一段と上昇。6月16日には一時、過去最高の1 バレル=139.89ドルを記録した。日本国内では原油高は燃料費の高騰を招き、 漁業者などの経営を圧迫している。

全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は25日、窮状を国民や政府に訴え るため、大日本水産会など主要16の漁業者団体が7月15日に全国で一斉に 休漁を実施すると発表。全国の漁業者39万人、漁船20万隻が参加するとして いる。

全漁連は声明の中で、「漁業者の自助努力も限界を超えており、このままで は漁に出れば赤字がかさみ、休漁せざるを得ない、あるいは早晩廃業に追い込 まれてしまうという悲痛な叫び声が全国から上がっている」とし、政府に「有効な 緊急対策を講ずることを強く求める」と述べている。

--共同取材:伊藤辰雄、亀山律、下土井京子Eitor: Hitoshi Sugimoto, Hideki Asai

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 広川高史 Takashi Hirokawa +81-3-3201-8641 thirokawa@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 Bill Austin +81-3-3201-8952 billaustin@bloomberg.net

Ritsuko Kameyama Tatsuo Ito Kyoko Shimodoi

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE