ソニー:新経営目標はROE10%、新興国の売上高倍増へ-新中計(4)

家電世界2位のソニーは2011年3月期ま での新中期経営計画を発表した。規格争いに勝ったブルーレイ・ディスク(B D)関連事業を売上高1兆円に育成するなど着実に収益を増やす方針を打ち出 し、経営の効率性を示すROE(株主資本利益率)の10%を新目標に加えた。

売上高がすでに1兆円を超える液晶テレビ、デジタルカメラ・ビデオ、ゲ ーム、携帯電話に加え、パソコン、BD関連、コンポーネント・半導体も伸ば し、7事業で各1兆円規模の売り上げを目指す。地域別にはBRICs(ブラ ジル、ロシア、インド、中国)向けを2兆円に倍増させる。大根田伸行最高財 務責任者(CFO)は、前期(08年3月期)に9兆円弱だった売上高を早期に 10兆円にしたいと述べた。

ROEは純利益を株主資本で割った指標で市場の注目度が高い。前期は資 産売却や金融子会社上場など特殊要因もあって10.8%を確保したが、07年3月 期は3.8%、06年3月期は4.1%だった。ブルームバーグデータによると、過 去5年間の平均は5.8%と、韓国サムスン電子の21.8%を大幅に下回っている。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、ソニーのROEはサムスンなど に比べると「非常に見劣りがする」としたうえで、「ROEを伸ばして投資家 からの評価を高めなければ株価が上がらない」と述べた。ライバルの松下電器 産業も、ソニーよりも1年早い10年3月期までの中期計画でROE10%の目標 をすでに掲げている。

大根田氏は、07年3月期までは営業利益率が低かったため5%達成を最優 先目標にしたが、ほぼ達成できたため今後は投下資本の効率性に目を向けてい く必要があると説明し、「方針の変更ではない」と語った。営業利益率5%は 新中計でも基本的な目標として維持する。今後は投資や買収・合併(M&A) の判断に投下資本利益率(ROIC)を指標として活用していくという。

設備投資は1.8兆円

ソニーグループの設備投資は3年間で1兆8000億円と、前期までの3年間 より4000億円増やす。うち9000億円は電池やBDディスク関連などの「コン ポーネント・半導体事業」に投入する。

ストリンガー氏は新中計の柱として、BRICsなど新興市場の販売増、 「コアビジネス」の強化、ネットワーク接続促進を挙げた。コアビジネスでは、 液晶テレビで10年度までに世界一を実現すると明言。調査会社ディスプレイ サーチによると、06年に首位だった金額ベースのシェアは昨年2位に転落。台 数ベースでは06年の3位から昨年はサムスン次ぐ2位に浮上している。

中鉢良治社長は、10年に向けてシェアは「15-20%」を目指すとあらため て述べたが、台数には言及しなかった。液晶パネル事業は、機能性フィルムや LED(発光ダイオード)バックライトなどの内製化、設計期間の短縮、消費 地での生産推進などでコストを削減し収益を改善する考えを示した。

ゲームもコストダウン

BRICsのエレクトロニクスの年間売上高は1兆2000億円に倍増させる。 中計にはこのほか、製品カテゴリーの9割でネットワーク機能内蔵やワイヤレ ス対応を進めるほか、11年3月期までにソニーの主要製品にビデオ配信サービ スを展開することなども盛り込んだ。

ゲーム事業に関しては平井一夫ソニー・コンピュータエンタテインメント 社長が今期中の黒字化に向けて、半導体の微細化、部品点数の削減、組織の見 直しなどコスト削減や体質強化を進めると語った。

ソニーの株価は昨年5月に7000円を突破したこともあったが、ライバル の任天堂や米アップルの製品が販売を伸ばすなかで、最近は5000円前後で推 移。26日の終値は前日比2.9%高の5060円だった。

--共同取材 駅義則、近藤雅岐 Editor:Kenzo Taniai

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