FOMC:利上げに向けて「小さな一歩」-インフレへの警鐘鳴らす

米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ の約束をせずにインフレへの警鐘を鳴らした。

FRBが25日開催した連邦公開市場委員会(FOMC)は、フェデラルフ ァンド(FF)金利の誘導目標を2%で据え置いた。声明でFOMCは、物価上 昇の「上振れリスクは拡大した」と指摘。また、「家計の支出が幾分か堅調にな った」としたものの、「エネルギー価格の上昇がこの先数四半期にわたって経 済成長を圧迫する可能性が高い」との認識を示した。

当局は投資家や消費者に対し、インフレ加速を食い止める方針を確実にした い意向だ。一方で、戻し減税による消費一巡後の景気鈍化や信用危機悪化の可能 性に備え、金融政策変更の選択肢も確保しておきたいのだと、エコノミストらは 指摘する。

RBSグリニッチ・キャピタルのチーフエコノミスト、スティーブン・スタ ンレー氏は今回のFOMCについて、「利上げの方向に向けた小さな一歩だ」と 指摘。「当局は近い将来の引き締めはないと示唆した。今のところ言えるのはそ こまでだ」と語った。

声明は「インフレ期待を示す複数の指標が上昇している」と指摘。景気につ いては、「経済成長の下振れリスクは残るものの幾分か縮小したもよう」だが、 「労働市場は一段と軟化し、金融市場は依然としてかなりの圧迫を受けている」 と説明した。

バーナンキFRB議長はじめFOMC参加者は、インフレが景気を上回る懸 念事項になったとまでは言わなかった。声明は4月の内容を踏襲し、「委員会は 経済と金融の動向を注視し続け、持続可能な経済成長と物価安定を促進するため に必要とあれば行動をとる意向だ」とした。

利上げ期待は後退

FOMCの決定や声明内容を受け、金融市場では向こう3カ月間の利上げ期 待が後退。シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場によれば、9月に 同金利が2%で据え置かれる確率は66%へ上昇。24日は10%だった。

ディシジョン・エコノミクス(ニューヨーク)の上級エコノミスト、ケアリ ー・リーヒー氏は、FOMCが「次回会合での利上げの可能性を示唆していると は思わない」と発言。「金融引き締めの前にはできるだけはっきりと、『引き締め バイアスがある』との内容の声明を発表することだろう」と説明した。

今回の声明の内容は、今月9日にインフレ期待の高まりを「断固阻止」する と表明したバーナンキ議長をはじめ、インフレスパイラルを回避するため物価上 昇期待を抑制するとの当局者の姿勢が反映されていた。

ただ、金利据え置き決定は全会一致ではなかった。ダラス連銀のフィッシャ ー総裁は政策金利の2年ぶり引き上げを求めて、反対票を投じた。同総裁が反対 票を投じたのはこれで4回連続。

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