7&i:初の国内SB1000億円は完売-希少性や信用力など評価(5)

セブン&アイ・ホールディングスが26日、 発行総額1000億円の国内普通社債(SB)を募集した。5年、7年、10年の 3本建て。持ち株会社に移行してからの初起債で、調達額も同グループや流通 業界の社債で過去最大規模となる。景気減速懸念やスルガコーポレーションの 破たんなど悪材料が重なる中でも、7&i債の希少性や高い信用力などが評価 され順調に販売された。主幹事証券などが明らかにした。

自社株買い、信用力への影響は限定的

7&iが財務省に提出した発行登録追補書類によると、今回の社債発行で 調達した資金は、全額、自己株式取得のためのブリッジローン(つなぎ融資) の返済資金に充当するという。同社は4月にROE(自己資本利益率)を8% (前期6.7%)以上に引き上げるなど資本効率の向上を目標に5000万株、1700 億円の自社株買いを行うと発表している。

社債発行で調達した資金を自社株買いに使用することは教科書的には、 信用力にはネガティブだが、「7&iの現預金残高など財務状態は余裕があり、 キャッシュフロー創出力なども考えると、同社の自社株買いが信用力に与える 影響は限定的」(UBS証券の後藤文人クレジットアナリスト)との見方が多 く、社債販売には支障はなかった。

3、5、7年の3本建て

7&iが起債したのは、5年債400億円、7年債300億円、10年債300億 円の3本建てで、表面利率と発行価格はそれぞれ、1.48%、99円99銭(利回 り:1.482%)、1.68%、99円96銭(同:1.686%)、1.94%、99円92銭 (同:1.949%)。利回りの国債に対するスプレッド(金利上乗せ幅)は、そ れぞれ、+22bp、+27bp、+27bp(1bp=0.01%)だった。

5年債、10年債は野村証券の単独主幹事、7年債は野村証、大和証券SM BC、三菱UFJ証券の共同主幹事。募集開始は26日午後零時30分、均一価 格販売リリース(完売宣言)は同零時34分。

7&iグループの起債としては、イトーヨーカ堂が1998年11月、2000年 3月、2002年10月にそれぞれ500億円を発行した実績があるほか、セブン銀 行が06年11月に500億円のSBを発行している。7&iホールディングスは ヨーカ堂グループが05年9月に設立した。

格付けは、格付投資情報センター(R&I)のAA、ムーディーズのAa 3を取得した。また、日本格付研究所(JCR)もAA+を付与している。

希少性や財務基盤など評価

国内社債市場では、景気減速懸念やスルガコーポレーションの破たんなど 悪材料も多いが、それだけに信用力の高い7&iの社債が目立つこととなり、 人気化したようだ。主幹事は当初、5年債が国債+22bpから+25bp、7年債が +25bpから+30bp、10年債が+26bpから+31bpのレンジで需要を探った結果、 最終的にそれぞれ、+22bp、+27bp、+27bpで決まった。

事務幹事を務めた野村証券デット・シンジケート課担当者は、7&iの高 い信用力や社債市場での希少性に加えて、しっかりとした起債運営などが評価 されて、中央から地方までの幅広い投資家に販売できたと語った。

7&i債をAAと格付けしたR&Iは、「7&iグループは、主にセブン -イレブンの極めて強固な収益基盤に支えられ、高水準で安定した収益力を有 している。連結自己資本が約2兆円近くにのぼるなど財務基盤も強固」と評価 した。

これまで、流通業界の社債では、イオン、高島屋、伊勢丹、松坂屋などの 起債の事例があるが、比較的、発行は少ない。

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