東京外為:ドルの上値重い、米早期利上げ観測が後退-107円台後半

朝方の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=107円台後半と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた107円 80銭付近でドルの上値が抑えられている。注目されていた米連邦公開市場委員 会(FOMC)の声明文では、インフレ圧力の高まりが指摘されたものの、年 後半にかけて緩和するとの見通しが示されたことで、利上げの緊急性はないと の見方につながり、ドルの買い戻し意欲が醸成されにくい。

バンク・オブ・アメリカグローバル為替・金利・商品戦略部の藤井知子日 本チーフエコノミスト兼ストラテジストは、FOMCの声明について、少しリ スクの軸足がインフレに動いたことがややサプライズだとしたものの、結局は バランスしたリスクということで、目先は何かするということがないことは明 らかだと指摘。「景気の下振れリスクは減じてもまだ懸念はあるわけなので、 9月の利上げもやっぱり無理となれば、ドルは若干軟化する」とみている。

前日の海外市場では、FOMC声明の内容が市場の期待ほどタカ派ではな かったと受け止められ、7月の利上げ期待があるユーロに対して、ドル売りが 先行。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.5686ドル(ブルームバーグ・デー タ参照、以下同じ)と、9日以来の水準までユーロ高・ドル安が進み、この日 の東京市場では1.56ドル台後半で推移している。

また、海外市場のドル・円相場は一時108円41銭と、18日以来のドル高値 を付けていたが、FOMC後に107円66銭まで急速に売り戻された。

一方、ユーロ・円相場は一時1ユーロ=169円16銭と、ユーロが1999年1 月導入以来の最高値を更新。この日も169円台前半で取引されている。

米インフレ鈍化の可能性も示唆

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日に開いたFOMCで、フェデラル ファンド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置いた。先行きの利上げ動向を 見極めるうえで注目されていた声明文では、「経済成長の下振れリスクが残る ものの、幾分か縮小したもようであり、インフレとインフレ期待の上振れリス クは拡大した」として、インフレへの警戒度が高められた。

一方で、声明では「インフレが今年と来年にかけて減速すると予想してい る」として、インフレが鈍化する可能性も視野に入れていることも示され、当 局が積極的にインフレの抑制に踏み切るとの期待は醸成されなかった。

市場では8月と9月の利上げ見通しが低下し、10月に25ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%ポイント)の利上げが実施されるとの予想が強まって おり、早期の利上げ期待が後退する格好となった。

ECBの利上げ先行

半面、欧州中央銀行(ECB)政策委員メンバーのウェーバー独連銀総裁 は26日付のドイツ紙ベルゼンに寄稿し、ECBがインフレ抑制の義務から逸脱 した場合、金融市場のボラティリティは「大幅に拡大する」との見解を示して いる。

連続利上げに関しては、トリシェ総裁が25日に否定するコメントをしてい るものの、7月の次回会合での利上げは期待されており、当面は米欧の金利差 が縮まらないとの見方から、ユーロ買いが進みやすい環境となりそうだ。

BOAの藤井氏は、「ユーロ圏は米国よりも目先は金利が上がりやすいと いうことで、ユーロ・ドルも少なくとも一時的には1.60ドル近辺までには戻る のではないか」とみている。

--共同取材:柿崎元子、小宮弘子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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