債券はもみ合いか、FOMC通過で安心感―指標発表控え上値重い(2)

債券相場はもみ合いが予想される。25日の 米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が据え置かれ、声明文はおおむ ね予想範囲内に収まり、海外市場の反応も限定的となった。重要イベントを無事 に通過したことから、買い安心感が広がりそう。もっとも、あすに消費者物価指 数や鉱工業生産の発表などを控えており、上値も限定的となりそうだ。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、きょうの相 場はもみ合いを予想。一方、FOMCについては、「政策金利は据え置きとなり、 声明文については、中立的な内容との評価がコンセンサス。実際、米市場は短期 債利回りが低下したことを除けば、株価を含め大きな変動なし」という。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値134円45銭とほぼ 同水準で始まった後、日中は134円25銭から134円65銭程度のレンジで推移し そうだ。25日のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値から6銭安の134円 39銭で引けた。清算値は134円40銭。

25日の先物相場は4日続伸。前日の米国市場は、指標悪化による景気下振 れ懸念で株安・債券高となった。こうした地合いを引き継ぎ、円債市場でも買い が優勢となった。買い一巡後は、FOMCを見極めようとして、取引は手控えら れた。先物中心限月9月物は、前日比30銭高い134円45銭で終了。日中売買高 は3兆1733億円程度。

新発10年債利回りは1.6%台後半か

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日終値1.68%とほぼ同水 準で始まり、日中ベースでは1.6%台後半での取引が見込まれる。

三菱UFJ証券チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、「長期金利は、昨 日のFOMC声明を受けた米早期利上げ観測の後退を背景に弱含みにもみ合う」 と予想している。

また佐野氏は、新発10年債利回りは6月16日の1.895%で天井との見方を 示し、「昨日までの堅調な地合いを引き継ぐが、景気が注目材料となっており、 やはり日銀短観(企業短期経済観測調査)が最大の注目となる」と説明した。

日本相互証券によると、25日の現物債市場で新発10年物の293回債利回り は、前日比3ベーシスポイント(bp)低い1.675%で取引を開始した。その後、水 準を切り下げ、一時は4bp低い1.665%と、5月22日以来の低水準をつけた。 いったんは下げ幅を縮めて、1.695%まで戻したが、午後2時以降に再び

1.665%まで低下。結局、2.5bp低い1.68%で引けた。

一方、10年物国債の293回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.676%だ った。

FOMCは金利据え置き、今後の利上げ示唆せず

25日の米国債市場の2年債相場は上昇。同日に開かれたFOMCで政策金 利は据え置かれ、声明では今後利上げに踏み切るのかどうかに関しては明確に示 唆されなかった。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後3時 39分現在、2年債利回りは前日比7bp下落して2.81%。10年債利回りは2bp 上昇し4.11%。FOMC声明の発表直後には4.18%に上昇した。

一方、米株式市場は上昇。S&P500種株価指数の上げ幅はこの2週間で最 大だった。FOMCが金利据え置きを決定した定例会合後の声明で、「経済成長 の下振れリスクは残るものの幾分か縮小したもよう」と述べ、近く利上げする意 向を示唆しなかったのが背景。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、①米連邦準備制度理事会 (FRB)の利上げは既定路線ではなく、インフレ期待が悪化した場合に実施さ れること②欧州中央銀行(ECB)は来月に25bpの利上げに踏み切る方向だが、 現時点で連続利上げを意図していないことが確認され、欧米市場の反応は限られ た-と説明した。

市場では、「来月はFOMCがないため、利上げの議論は次回8月5日に先 延ばしとなったが、その間の金融環境、経済環境については今よりも利上げには 不適切な環境になっているものと想定される」(三井住友銀行チーフストラテジ ストの宇野大介氏)との声も聞かれた。

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