日本株は反発へ、輸出や金融、海運に買い-FOMC後の海外市場安定

受け渡しベースで7月相場入りとなる東 京株式相場は、反発する見通し。25日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の 声明では利上げが示唆されなかった。会合後の海外株式、金融市場が落ち着き を示したことで、トヨタ自動車やソニーなどの輸出関連株、みずほフィナンシ ャルグループなど銀行株が上昇しそう。足元需要が堅調なJR3社、海運市況 の上昇を受けて海運株なども高くなる見込み。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「FOMC後の海外指標が堅調 なことから、安心感が出るだろう。ただし、スタグフレーション懸念など外部 環境の不透明感は完全に晴れておらず、当面はレンジ相場が継続しそう」と予 想した。投資対象面では、市場エネルギーの回復が期待できない中、環境関連 などテーマ性や材料性の銘柄が中心とならざるを得ないと見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の25日清算値は1万 3980円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万3880円)に比べて100円高。

据え置き

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日、FOMCの定例会合を開き、 フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置くことを決めた。 声明では、「経済成長の下振れリスクが残るものの、幾分か縮小したもようで あり、インフレとインフレ期待の上振れリスクは拡大した」とインフレへの警 戒度を高めた。UBSセキュリティーズのシニアエコノミスト、ジェームズ・ オサリバン氏は声明について、「政策スタンスはおおむね中立ということを示 している」と述べた。

これを受けた海外市場では、米ダウ工業株30種平均が4日ぶり小反発。 外国為替市場ではドルがユーロで下落したものの、ドル・円相場では1ドル= 107円後半の落ち着いた動きを示した。週間の米国在庫が6週間ぶりに増加し たことで、ニューヨーク原油先物相場は前日比2.45ドル(1.8%)安の1バレ ル=134.55ドルと4日ぶり反落した。

FOMC声明が利上げを示唆する内容となれば、市場の波乱も予想された だけに、今後利上げに踏み切るのかどうかに関して明確に示唆されなかったこ とでいったん米景気や信用不安に対する過度の悲観が後退しそうだ。きょうは 輸出関連株や金融株には買いが先行するとみられる。中でも、ゴーン最高経営 責任者(CEO)が国内の販売価格も引き上る考えを示した日産自動車、26日 付の日本経済新聞朝刊が車両価格を引き上げる方針を固めたと報じた日野自動 車などトラックメーカーは高くなりそう。

米主要株価3指数の25日終値は、S&P500種株価指数が前日比7.68ポ イント(0.6%)高の1321.97、ダウ工業株30種平均は4.40ドル高の

11811.83ドル、ナスダック総合株価指数は32.98ポイント(1.4%)高の

2401.26。

JRや海運、環境関連が上昇公算

また、JR東日本などJR各社にも投資資金の流入が継続する可能性があ る。日興シティグループ証券では25日付リポートで、JRの需要はゴールデ ンウイークの日並びの悪さを調整すると、4-5月の需要も堅調と考えられる と指摘。燃料高のネガティブ要因はほとんどないとし、引き続き運輸セクター の中で海運株と並んでの推奨を継続した。

原油価格の下落も後押し、石炭や鉄鋼石などを運搬するばら積み船の運賃 指標となるバルチック・ドライ指数は25日に4日ぶり急反発を示しており、 海運株にとっての追い風となりそうだ。

このほか、25日には東京都の改正環境確保条例が成立した。大規模なオフ ィスビルに二酸化炭素排出量の削減を義務付ける内容で、環境関連株にとって プラス材料となることも予想される。

NTTや新生銀などが上昇見込み

個別に材料が出ている銘柄では、UBS証券が目標株価を引き上げたNT T、200億円を上限とする自社株買いを実施する新生銀行、20億円を上限とす る自社株買いを実施するニチハなどが高くなる見込み。08年3-5月期連結純 利益が前年同期比69%増になったようだ、と26日付の日本経済新聞朝刊が報 じたイオンモールも堅調が予想される。

半面、UBS証券が当面の好材料出尽くしとして投資判断を「ニュートラ ル」へ格下げした日本電気硝子、モルガン・スタンレー証券が目標株価を引き 下げたブリヂストンなどは売りが先行しそう。最大で普通株式5500株(オー バーアロットメントによる上限500株を含む)の売り出しを実施するイーピー エス、日雇い派遣事業を展開する子会社グッドウィルの廃業を決定したと正式 発表したグッドウィル・グループなども安くなる公算が大きい。

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