英バークレイズ:45億ポンド増資、三井住友など出資-海外事業強化

英銀バークレイズは25日、45億ポンド (約9600億円)の増資について発表した。資本を増強するとともに、アジアで の個人向け融資や米国での投資銀行業務拡大の原資とする。

発表を好感し、同社株はロンドン市場で一時8.1%高と、過去5年で最大の 値上がりとなった。同社は最大15億8000万株の新株を三井住友フィナンシャル グループと、カタールとシンガポール、中国の政府系投資ファンド(SWF)に 売却する。

ジョン・バーリー最高経営責任者(CEO)は、調達額の半分は中核的自己 資本(Tier1)を目標の5.25%を上回る水準に引き上げられるための資金と し、残りの半分は買収を含めた事業機会のために使うと述べた。

リーガル・アンド・ゼネラル・グループのロンドン在勤クレジット調査責任 者、ゲオルグ・グロッドスキ氏は、調達した資金は「市場環境に対応するための 緩衝資金であると同時に軍資金でもある」と論評した。

バークレイズ株は一時、25.25ペンス高となった。ロンドン時間午後零時35 分(日本時間同8時35分)現在は7.6%高の334.5ペンス。

バークレイズの発表を好感し、欧州金融機関の社債保証コストは1週間ぶり に低下した。バークレイズ債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の スプレッドは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し100bp(ク レディ・スイス・グループ調べ)となった。

バークレイズはカタール王室の代行機関として設立されたチャレンジャー社 と同国の政府系投資ファンド(SWF)であるカタール投資庁(QIA)、シン ガポールのテマセク・ホールディングス、中国国家開発銀行、三井住友フィナン シャルグループなどに新株を売却する。

三井住友は1株当たり296ペンスで5億ポンド相当を購入する。バークレイ ズの既存株主は保有株14株につき3株の新株を1株282ペンスで取得できる。 SWFなどその他の機関投資家は同価格で残りを引き受ける。三井住友向けの新 株の価格は24日終値(310.75ペンス)に比べ4.7%割安の水準。残りの40億ポ ンドは9.25%割引となる。

バーリーCEOは、今年は新店舗を300店開設する計画だと述べ、新興市場 と商品・為替部門のトレーディングを拡大する方針を示した。英国の住宅ローン 市場でのシェア拡大も目指すという。メリルリンチのアナリスト、ジョンポー ル・クラッチリー氏は25日付のリポートで、「バークレイズの長期的な成長能力 は他の英銀よりも高いとみられる」と指摘した。

バークレイズはまた、1-6月(上期)に1株当たり11.5ペンスの現金配 当を実施する方針も示した。同社は今年、評価損17億ポンドを計上している。 バーリーCEOは、ブローカーらは信用商品の評価額を「厳密に」査定したと述 べた。新株の取引は7月22日から開始される。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE