バフェット氏:買収は芸術だ!-ポルノショップへの身売りじゃない

米資産家ウォーレン・バフェット氏(77) はカナダのトロントで約300人の企業幹部らを前に質問に答えていた。1人の 参加者がこう尋ねた。経営者はなぜ、自らの会社をバフェット氏に売却したくな るのか、と。

保険・投資会社バークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)であ るバフェット氏は、企業売却の見込みがある経営者には自社を芸術作品として考 えるように促すと答えた。

2月のこの会合でバフェット氏は「あなたの作品をバークシャーに売却すれ ば、われわれはメトロポリタン美術館にそれを陳列する。作品は際立ち、永久に そこに飾られるだろう。もしくはポルノショップへ持ち込むがいい。バストはも う少し大きく描かれて、作品は窓辺につるされ、レインコートを着た男がやって きて買っていくだろう」と回答した。

バフェット氏にはプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資業界で他 社を少々からかう余裕がある。現在のウォール街で企業買収は実質的に凍結状態 だが、60年以上のキャリアを抱えてその集大成期にある同氏の買収に陰りは見 えない。

買収向けの手元資金は356億ドル(約3兆8400億円)。バフェット氏が物 色するのは妥当な価格で買収でき、信用できる経験豊かな幹部と市場での強みを 持つ企業だ。

大きいがゆえの苦労

今年これまでで最大の収穫はシカゴのプリツカー家が保有していた複合企 業のマーモン・ホールディングスだ。バークシャーは3月18日、同社株60% を45億ドルで取得したと発表。残りは向こう5-6年かけて買収する。4月に は、米チョコレートメーカー、マーズによる米チューインガム大手ウィリアム・ リグリー・ジュニアの買収(230億ドル相当)の一環で、一部株式取得に21億 ドル支払うことで合意した。

フェアホルム・キャピタル・マネジメントのシニアアナリスト、キース・ト ラウナー氏は「今はバークシャーの買収ペースが速まるような市場環境だ。企業 を取り巻く環境が弱いと、売り手による期待が落ち着くからだ」と語った。

一方で、バークシャーの規模が大きくなり過ぎたため、バフェット氏は買収 した企業を成長させるのに苦心している。2000年以降に買収した20数件の大 半は小さ過ぎて影響力をもたらしていない。シティグループのアナリスト、ジョ シュア・シャンカー氏は「企業は大きくなればなるほど、効果の上がる出来事を 見つけるのが困難になる」と話す。

バフェット氏もその見方に賛成だ。同氏はバークシャーの5月の総会で株主 に対し、「われわれが過去同様の運用成績を上げるとみる投資家は株式を売るべ きだ」と語った。同氏はこの記事向けにコメントするのは控えた。

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