日本株(終了)小幅安、米景気と信用警戒-輸出や金融、不動産下げる

東京株式相場は小幅安。信用収縮や原油 高を背景にした米国の景気後退懸念から、トヨタ自動車やソニー、みずほフィ ナンシャルグループなど輸出関連や銀行株中心に売られた。東証2部上場の建 設会社、スルガコーポレーションが民事再生手続き開始を申請したのを受け、 信用リスクに対する警戒でその他金融と不動産は東証1部の業種別下落率で1、 2位を占めた。

ニッセイアセットマネジメントの西崎純チーフ・ポートフォリオ・マネジ ャーによると、「米国景気は利上げに耐えられるほどまだ強くない。一方で、 為替が現状水準で推移すれば、4-6月期は予想されたほど大幅な減益でない 公算が大きくなってきた」という。相場は上にも下にも決め手を欠いており、 中間決算までボックス相場が続くと、西崎氏は予測している。

日経平均株価の終値は前日比19円64銭(0.1%)安の1万3829円92銭、 TOPIXは3.11ポイント(0.2%)安の1346.08。5日続落となった日経平 均は、2007年12月19日の6日続落以来の連続安記録、TOPIXは反落した。 東証1部の売買高は概算で19億8471万株、売買代金は同2兆1671億円。値 上がり銘柄数は871、値下がり銘柄数は760。東証業種別33指数の騰落状況は、 値上がり業種が18、値下がり15。

FOMC控えこう着ムード強い

受け渡しベースで6月最終日のきょうは、前日に続いてこう着ムードの強 い相場となった。米国景気の厳しさと信用警戒が重なり、日経平均は午前の取 引で一時、213円安の1万3635円と約3週間ぶりの低水準となった週初23日 の安値1万3667円を更新。しかし1万3600円台での底堅さを確認すると、イ ンフレ抵抗力の強い日本株への評価や年金買い期待から下げも限定された。

24、25日に開かれている米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極 めたいとのムードが強い中、上値を抑えたのは米国景気の厳しさだ。前日発表 された6月の米消費者信頼感指数は50.4に悪化し、米20都市部を対象にした 4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で15.3%低下。「米 経済はなかなか利下げの効果が出ておらず、実体経済の底打ち期待は薄い」 (しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長)とされた。

指数はマイナスだったものの、値上がり銘柄数や値上がり業種が値下がり をやや上回るなど、底堅さも見せた。きょう堅調さが目立ったのは鉄道など景 気動向に左右されにくいディフェンシブ関連株と、TOPIXの中の中小型株。 米国景気やFOMCの結果に対する不安感で、海外景気との連動性の高い銘柄 ほど買いが手控えられた。

TOPIXは時価総額の大きいコア30が0.6%安となった半面、ミッド 400は0.07%高、スモールは0.4%高。時価総額のサイズが小さいほど株価は 堅調で、市場では「下値では年金の買いも警戒されている」(東洋証券の児玉 克彦シニア・ストラテジスト)といい、需給期待も下支え要因になった。

不動産やその他金融株売られる

業種別で下げが目立ったのはその他金融株と不動産株。中高層住宅建設の 開発・賃貸を手掛けるスルガコーポレーションが24日、民事再生手続き開始 を東京地方裁判所に申し立て、受理されたと発表。同社が発行した無担保公募 普通社債が、マイカル債以来の約7年ぶりの債務不履行(デフォルト)となる ことで、財務基盤の弱い企業や借入金が多い企業には売りが増加した。

債券保証コストが上昇したアイフルと武富士が上場来安値を更新するなど、 その他金融株が下落。ノンバンク業界は改正割賦販売法によるクレジット取引 に対する規制への不透明感が根強いとされるだけに、新たな悪材料に敏感に反 応しやすいとの見方がある。さらに東証1部値下がり率上位ではアーバンコー ポレイションやゼファー、ランド、ジョイント・コーポレーションなど不動産 関連株が多数を占めた。「マンション市場全体が厳しいのが根底にある。マン ション・ディベロッパーの破たんはこれからも出てくる可能性は否定できな い」(しんきんアセットの藤原氏)という。

陸運は値上がり1位

一方、JR東日本やJR東海など鉄道株は高く、陸運は東証1部業種別上 昇率で1位となった。航空や自家用自動車、バスなどと比べてエネルギー効率 が最も効率的な輸送手段として鉄道は環境関連としての側面も指摘されており、 今後設定される環境ファンドでは鉄道の組み入れ期待があるという。「ガソリ ン高で郊外まで買い物する消費者が減少する中で、運営する駅ビルの売り上げ は悪くない」(ニッセイアセットの西崎氏)として、鉄道業と小売業という両 面でディフェンシブ的として評価する見方も出ている。

こうした中、対照的に東証1部上場の外国株銘柄であるボーイングは10% 以上急落。米紙ウォールストリート・ジャーナル(オンライン版)は25日、 民間航空機メーカー大手の米ボーイングと欧州のエアバスは原油高の影響で、 新型機受注の最大3分の1が先送りまたはキャンセルされる可能性があると報 道。JRとは対照的な値動きを強いられた。

Gウィルがストップ安、タカキューは値上がり1位

個別銘柄では、子会社の日雇い派遣大手を廃業する方針を固めた、と25 日付の朝日新聞朝刊などが報じたグッドウィル・グループが値幅制限いっぱい のストップ安。なお10万株超の売り注文を残した。同業のフルキャストもス トップ安となった。UBS証券が格下げしたしまむら、大和総研が格下げした ツルハホールディングスもそれぞれ急落。中国の金融引き締めによる業績懸念 から島精機は約1年2カ月ぶりの3000円割れ。

半面、午後に第1四半期(3-5月)の営業利益が前年同期から30%増え たと発表したタカキューはストップ高で東証1部値上がり率1位。不採算店の 撤退や新規出店などが寄与し、3-5月期の連結営業利益が前年同期比5.1倍 の鈴丹もストップ高となった。自動車用ガラスを10%程度値上げする方向で自 動車メーカーと交渉を開始した、と25日付の日本経済新聞朝刊が伝えた旭硝 子が堅調となり、同業のセントラル硝子は急騰。

新興3市場は5日続落

国内新興市場は5日続落。ジャスダック指数の終値は前日比0.58ポイン ト(0.9%)安の61.62、東証マザーズ指数は13.92ポイント(2.4%)安の

568.74、大証ヘラクレス指数は18.57ポイント(1.9%)安の941.14。東証2 部のスルガコーポレーションが民事再生手続き開始の申請を行ったことを受け、 「財務体質面から見て新興市場への影響は大きい」(日興コーディアル証券エ クイティ部の西広市部長)と見られた。

携帯電話機世界最大手ノキアがソフト会社大手の英シンビアンの携帯OS を端末メーカーに無償で提供すると発表したことから、ACCESSやアプリ ックスなど悪影響が及ぶと警戒された組み込みソフトメーカーが急落。人材派 遣業界の不透明感から、インテリジェンスはストップ安となった。半面、売買 代金上位ではサイバーエージェント、フェローテックなどが高い。第三者割当 増資への評価からラ・パルレは3日連続のストップ高。約1カ月ぶりの新規上 場として、ジャスダック市場にきょう株式公開したイナリサーチの初値は30 万円と公開価格(18万円)を67%上回った。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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