債券は上昇、景気下振れ懸念で米債高・株安-10年は一時1.665%(2)

債券相場は上昇(利回りは低下)。前日 の米国市場では指標悪化による景気下振れ懸念で株安・債券高となった。こう した地合いを引き継ぎ、日経平均株価が大幅続落となり、円債市場では買い優 勢の展開となった。新発10年債利回りは一時1.665%と、約1カ月ぶりの低水 準まで達した。

大和住銀投信投資顧問国内債券運用第2グループリーダーの伊藤一弥氏は、 今週に入ってから行き過ぎた欧米利上げ懸念の修正が入っていると指摘。「円 債市場では売り手がいなくなり、先物中心に相場が上昇。米連邦準備制度理事 会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)のスタンスや景気減速に焦点が移り、 現物債にも買いが入ってきている」と説明した。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比32銭高の134円47銭で寄り付 いた後、48銭高い134円63銭まで上昇した。しばらく134円台半ばで推移し た後、いったんは134円39銭まで上げ幅を縮小。取引後半に再び午前の高値 付近まで水準を切り上げたが、結局は31銭高い134円46銭で引けた。9月物 の午前売買高は1兆8720億円。

大和総研の奥原健夫債券ストラテジストは、「景気もかなり厳しい状況で、 企業収益の見通しも相当悪いということで、債券が買われる地合いとなってい る」という。来週発表の日銀の企業短期経済観測調査(短観)は相当悪い数字 が出るとの見込みや、欧米で信用不安が高まっているとの観測が、株式売り・ 債券買いの材料になっているとも説明した。

日経平均株価は続落。前日比204円59銭安の1万3644円97銭で午前を 終えた。

新発10年債利回りは一時1.665%

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日比3ベーシスポイン ト(bp)低い1.675%で取引を開始した。その後も緩やかに水準を切り下げ、一 時は4bp低い1.665%と、5月22日以来の低い水準をつけた。その水準では 買いが細り、結局は3bp低い1.675%で午前の取引を終えた。

中期債相場も上昇。新発5年債利回りは前日比5bp低い1.245%と、3日 以来の低水準となった。

5月貿易黒字、予想ほどの大幅減にならず

財務省が25日朝に発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、5月 の貿易黒字額は前年同月比7.6%減の3656億円。輸出額は同3.7%増の6兆 8095億円、輸入額は同4.4%増の6兆4439億円。ブルームバーグ・ニュース がエコノミスト33人を対象に事前調査したところ、5月の貿易収支(原数 値)は予想中央値で300億円の黒字が見込まれていた。

ABNアムロ証券シニアエコノミストの西岡純子氏は、5月の貿易収支額 は前年対比では3カ月連続の前年割れとなったが、輸出の底堅さを背景に事前 に予想されていたような黒字額の大幅減には至らなかったと説明。「背景は、 輸出の伸びが維持されたこと以上に、輸入額が大きく減少した影響が強い」と 分析している。

米市場は株安・債券高-消費者信頼感指数が低下

24日の米国債相場は上昇。2年債利回りは大幅低下した。6月の消費者信 頼感指数が92年2月以来の最低水準に低下したことや4月の住宅価格の下落 が示されたことから、米利上げ見通しが後退した。一方、米株式相場は3カ月 ぶり安値に下落した。

午後に実施された財務省の2年債入札(300億ドル規模)でここ8カ月間 で最高の需要がみられたことを受けて、2年債は上値を伸ばした。FOMC定 例会合は25日に結果を発表。金利先物相場の動向は政策金利据え置き予想を 示している。

BGキャンター・マーケット・データによると、2年債利回りは前日比 10bp低下して2.83%付近。10年債利回りは7bp低下し4.1%程度。

--共同取材:池田祐美 Yumi Teso  Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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