日本株:後半崩れ今週の安値、米景気と信用警戒-輸出や不動産下げる

午前の東京株式相場は下落。信用収縮や 原油高を背景にした米国の景気後退懸念が強く、トヨタ自動車やソニー、みず ほフィナンシャルグループなど輸出関連や銀行株中心に下げた。東証2部上場 の建設会社、スルガコーポレーションが民事再生手続き開始の申請をしたこと を受け、信用警戒から不動産やその他金融は東証1部の業種別下落率1、2位 を占めた。取引後半に先物主導で崩れた日経平均株価は200円以上下げ、約3 週間ぶりの低水準となった週初23日の安値1万3667円を更新している。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、「米国 経済の回復は先が長いという感じがする。なかなか利下げの効果が出ておらず、 実体経済の底打ち期待は薄い」と話した。

日経平均株価の午前終値は前日比204円59銭(1.5%)安の1万3644円 97銭、TOPIXは22.09ポイント(1.6%)安の1327.10。東証1部の売買 高は概算で8億8475万株、売買代金は同9043億円。値上がり銘柄数は283、 値下がり銘柄数は1352。東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が3、 値下がり30。

FOMC控え、景気の厳しさ再認識

24、25日に開かれている米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極 めたいとのムードが強い中、米国景気の厳しさが再認識されて売りが優勢とな った。6月の米消費者信頼感指数は50.4に低下し、ブルームバーグがまとめ たエコノミストの予想中央値56.0を大きく下回った。米20都市部を対象にし た4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で15.3%低下した。

東洋証券の児玉克彦シニア・ストラテジストは、「米国の信用収縮懸念が 長期化する恐れが出ており、貸し渋りや差し押さえなどで住宅市場へ影響が出 てくる可能性がある」と指摘する。

金融収縮や住宅市場の悪化で景気が減速する中、先週には米ゴールドマ ン・サックス・グループのアナリスト、アージュン・N・マーティ氏がWTI 原油の今年の平均相場見通しを1バレル当たり118ドル(従来108ドル)へ引 き上げており、原油高止まりによるインフレ懸念も根強い。

金利先物市場動向によると、FOMC会合でフェデラルファンド(FF) 金利誘導目標が2%で据え置かれる確率は90%となっている。8月の会合でも 据え置くとの確率は65%。「声明文でインフレと景気のどちらに重きを置くか で、株価、為替、金利、原油がどう動くか今後の方向性がはっきりする」(日 興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長)として、下値を積極的に拾う 動きも乏しかった。

不動産やその他金融株売られる

業種別で下げが目立ったのは不動産株とその他金融株。中高層住宅建設の 開発・賃貸を手掛けるスルガコーポレーションが24日、民事再生手続き開始 を東京地方裁判所に申し立て、受理されたと発表。同社が発行した無担保公募 普通社債が、マイカル債以来の約7年ぶりの債務不履行(デフォルト)となる ことで、財務基盤の弱い企業や借入金が多い企業には売りが増加した。

不動産では住友不動産が5日連続安となり、三菱地所が反落。東証1部の 下落率上位にアーバンコーポレイションやゼファー、ジョイント・コーポレー ション、ランドなどが多数登場した。その他金融ではオリックスやクレディセ ゾンなどが安くなり、オーエムシーカードが急落。高水準の不良債権比率に対 する懸念が浮上したアイフルと武富士は上場来安値となった。

中でも不動産業界では、「反社会的勢力とつながりがない企業でも、不動 産の売却が思うように進まないという理由で、資金繰りが困難になっている企 業も出始めている」(野村証券金融経済研究所の福島大輔アナリスト)とされ ており、金融収縮による収益環境の悪化が改めて売りにつながった。しんきん アセットの藤原氏によると、不動産株の下げは「マンション市場全体が厳しい のが根底にある。マンション・ディベロッパーの破たんはこれからも出てくる 可能性は否定できない」そうだ。

Gウィルが売り気配、鈴丹は値上がり1位

個別銘柄では、子会社の日雇い派遣大手を廃業する方針を固めた、と25 日付の朝日新聞朝刊などが報じたグッドウィル・グループが値幅制限いっぱい のストップ安売り気配。同業のフルキャストも大幅安となった。UBS証券が 格下げしたしまむら、大和総研が格下げしたツルハホールディングスもそれぞ れ急落。モルガン・スタンレー証券が「アンダーウエート」で調査を開始した 三菱ケミカルホールディングスは7日続落。

半面、不採算店の撤退や新規出店などが寄与し、3-5月期の連結営業利 益が前年同期比5.1倍となった鈴丹がストップ高で東証1部の値上がり率1位。 自動車用ガラスを10%程度値上げする方向で自動車メーカーと交渉を開始した、 と25日付の日本経済新聞朝刊が伝えた旭硝子が堅調となり、同業のセントラ ル硝子は急騰した。08年12月期の業績予想を上方修正したフューチャーアー キテクトは大幅高。

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