ECB:示唆した利上げは1回と強調-市場懐疑的、年内2回織り込む

欧州中央銀行(ECB)はこれまでに示唆し た利上げは1回だけだと強調するが、投資家は待ったをかけている。

投資家は年内に2回の利上げがあるとみており、市場参加者の多くが来年3 月までに3回目もあると予想。こうした市場の見方をECB政策委員会メンバー らは行き過ぎだと戒め、シュタルク理事は今月、「われわれは一連の利上げを示 唆しているわけではない」と発言。ビニ・スマギ理事は1回で「十分」と語って いる。

アクサ・インベストメント・マネジャーズの投資戦略副ディレクター、フラ ンツ・ウェンツェル氏(パリ在勤)は「少なくとも2回の利上げがあるだろう。 それを一連と呼ぶかどうかは意味論にすぎない」と話す。

トリシェECB総裁は25日、ブリュッセルで現地時間午前10時半(日本時 間午後5時半)に欧州議会で発言する予定。ここで金融政策の詳細に触れる可能 性がある。物価上昇は世界各地の中銀にとって、信用危機以上の懸念事項となり、 インドや中南米でも利上げが実施されている。ECBにとって、利上げに伴うリ スクはユーロ高でユーロ圏の景気減速が加速することだ。

ユーロ圏で16年ぶり高水準となったインフレを抑えるため、トリシェ総裁 は今月5日、7月にも政策金利を4.25%へ0.25ポイント引き上げる公算がある と示唆。金利先物相場は、12月までに2回の利上げで同金利が4.5%に到達する 可能性を織り込んだ。トリシェ総裁は政策委員会メンバー21人には利上げに全 く賛成しないメンバーもいると述べている。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のユーロ圏担当チーフ エコノミスト、ジャック・カイユ氏(ロンドン在勤)は「金融政策の方向性につ いて、ECB政策委員会メンバー間の意見は割れているようだが、1回の利上げ では十分ではない。最終的にはインフレ懸念が優先されるだろう」と語る。

ECBの主要責務は物価安定で、インフレ率の目安を2%をやや下回る水準 としている。現在は15カ国で構成するユーロ圏のインフレ率は5月に3.7%に 達した。同中銀によれば、今年は平均3.4%、来年が2.4%となる見通し。

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